A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Wurlitzer 1015

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片付けしないと在庫品が有り過ぎて足の踏み場が無いし、積み上げているから下にある物が何か分からなくなるしで、片付けながら整理してとやったらジュークボックスの前が空いたから、前々から貼り合わせたかった、取付け木枠を外して修繕。
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合板で、剥がれた継ぎ目を見ると、紙を入れて継いでいるらしい。

貼り合わせは接着剤を塗ってプレスしているだけなのかと思ったが、接着剤を塗った紙を挟んでいたとは。

まぁ紙も木も同じか(^ω^;;)

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ブーンとハムの大きいアンプも何処が悪いか診断。

P.Uを抜いてハムが残るかチェック。出る。

ドライブを抜いてハムが出る。

終段を残してハムが出るから、根本的な問題らしい。

が、何度か電源を入り切りすると、ハムが治まる。

どうやらラピッドスタートのリレー接点が具合悪い様だ。

この機構は機械の動作が始まり、針が盤面に落ちる迄は20秒程あり、普通に傍熱管を同時にスタートするのでは、フェードインで始まるか、曲の頭が鳴らない。

最も、最初期の頃は直熱管だったか、これを想定した機械設計と思われ、これが長年にわたり受け継がれ、傍熱管の使用と共に、高速スタートが可能な様に立ち上がりだけ8Vを印加して立ち上がり速度を速めているという仕掛けである。

この切り替えの接触が上手くないと、ハムが出るのは以前にも経験がある。

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1945年には、HiFiの前身、Wide-Rangeが既にあり、昔の劇場、ホール、映画館の独特の音である。田舎の方の古風な見世物小屋でもしか残っているかも知れない。

HiFiになってからは、最も現代的な音で、レコード自体も10’ SP盤から、7‘シングルのドーナツ盤に変わって行くから、CDを再生しても違和感なく聞ける。

Wide-Rangeの時代のスピーカーでCDを再生するとナロー感が拭えないであろう。

逆にHiFiのスピーカーでSP盤を聞くとシャーシャー鳴ってトレースノイズの方が気になるなんて事が起きる。

HiFiをナローにするのは出来るが、ナローをHiFiにするのは極めて難しい。上げて上げられない事もないが、結局の所、出ない。

時代にあった物を再生するのが一番良いかと私は考える。

まぁ慣れというのもあるだろうが(^^;;

 

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くっ付いたので組み立て。元通り。

右側がペロンと影になっていたのを覚えているかな(^^;;

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最初期のプラスチック樹脂なもので、熱に弱く更に電球だから、変形してしまうし縮むのか、撓むのか、とにかくダメにする可能性が高いから総LED電球に。

銘板による定格は演奏中は1kW近いらしいけど、今は200W程で収まっていると思う。

とりあえず、これにてやりたかった事は1つ完了。

 

ps:プラスチックの色がクリーム色に黄ばんでいる様に見えるのは、劣化ではなく、無色透明にする技術が当時は無かったからなのです。本当だったら透明、白にしたかったみたい。

まぁ電球の色温度もあるし、これでも十分とは思うのだけど(^^;;