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Abraham Audio Device Industrial Labo.

2秒で立ち上がる球アンプ 考察

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また2E24を入手してきた。

前回は傍熱管を多量したから、立ち上がりに1分程を要したが、全て直熱管で揃えたら、最速2秒で立ち上がる。

球アンプとしては、石アンプレベルに速くなるワケだ。

傍熱管と違って直熱管は、ヒーティング後の安定性が極めて良いから、初っ端の立ち上がりでその特性が決まる様なもの。

プレートを熱する使い方をすると、変化は起こすが、カソードの活性化という事は無いから、とにかく速く立ち上がり安定する。

JAN規格であれば、バラツキもかなり厳密に選別がかかっているから、ロッドであれば、どれでもペアーにしても大丈夫である。

ロッドじゃなくても基本的には大丈夫なハズ。

統一したのを安定に出荷しているからである。

 

速さで言えば2A3やWE300Bも直熱管であるから、立ち上がりは2秒程。

整流管、12Fを使えば2秒立ち上がりは可能になる。

然し乍ら、電流が取れる球じゃない(半波40mA)から、80辺り(両波110mA)を2本にして使ったとすると、フィラメントが太い分5秒は掛かる様になる。

そこそこの電流が取れる球となると、知っている範囲では、3B24が該当する。

これはフィラメントが明るくなるタイプで、やはり立ち上がりは2秒である。

レーダーに使われた球で、定めし不要な時には電源を切って省エネ化を図っていたのではないかと思われ。

2E24も同じく、バッテリーの消耗を減らす為の設計と思われる。

常時電源が供給されている場所では、傍熱型の2E26が使われた事であろう。

 

さて、ドライブは何にしようか。

直熱管....801が2本あるぞ。どうかな?...

なんだ、2本共フィラメント切れ。

2A3も2本あるぞ....1つはフィラメントは切れていないが、空気球。

もう1本は案の定のフィラメント切れ。

クズ球だ。

UX-30もあるが、1本しかない。

UX-32も1本しかない。

今手持ち何本かあるのはUX-34だけだ。

34は高周波でμ600程あるが、低周波でHiFiに使おうとした場合は、μ20程度である。

2E24をA1級でドライブするならば適当か。

AB2で使おうという場合は360mWのドライブが必要である。

55が350mW出せるが、生憎55は傍熱管であるが、2E24はシングルA1でも3.9W Dist10%出るそうだから、高出力を望まなければ、34でも良さそうだ。

初段と出力の2本構成で、整流に3B24を使って、フィラメント整流は石を使うが、そこはハム対策をしないとS/Nが反転する程のデカイハムが出るから致し方ない。

とは言っても、2E24はAC/DC両用と表記があるから、データシートのAB2でも通用するのか、試験してみた。

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結果は、VHFは低周波ハムは問題にならないのであろうが、AFではDCにしないと、動作時に200mVもプレートにハムが現る。

カソードの抵抗にコンデンサを抱き合わせると綺麗なSin波になった。

ハムバランサーを入れた程度ではこれは改善はしなそうに思う。

やはり整流して綺麗にしてやらないとS/N改善にはならない。

 

さて、ここまで分かれば時間を見つけて作ってみませうか。