A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

トランスころりん、ころころりん。

ELL80アンプはかなり中高域が明るい。という事が分かった。

Tannoyでは結構キツイ音が出て、荒井さん時代のユーミンを聞いていた時でした。大蔵省が一言、“昔ラジカセで聞いた音みたいで何処となく懐かしいわ”だそうで…

…いやいやいや、こんな馬鹿デカイHPD385で、学生が買えるレベルのラジカセと似てるって、カンベンシテ(^ω^;;)

中高域が出易いからそう感じるらしい。

MS737ではかなり普通だったんだけどもなぁ。

Deccaのロンドンリボンがクセを吸収するだけのパワーがあるのかなぁ。

 

昔のセットの回路を見ると、NFBが掛かっている乃至、プレートにコンデンサをデカップリングして、強制的にハイをカットしていたりして凄い設計であるが、プレート直のデカップリングはかなりの減衰があるから、NFBの方がまだ特性をナローにしなくて済む。

どちらにしても、クセ取りをしているのか分からないが、スピーカーの相性はかなり偏りそうに思う。

そう言えば、シリコンアダプタから、EZ81にするとB電圧は下がるであろうから、そうすると少しこの派手な中高域が引き下がるかも知れない。

残念ながら、私は生きている6CA4を持っていなくて、不良球しか持ち合わせがないから、実験出来ず。m(._.)m

(ショートしているからバチバチやる時もあれば、やらない時もある…自分のなら白煙上げたって構わないけど危ないから止めとく)

 

§ 

 

トランスころりん、ころころりん。

足に落として医院行き(笑)

そんな昔話があった様な無かった様な。(ありませんw

 

時代を逆行する高コストなアンプを再現するべく誂えたトランスの容量を調べる。

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一番デカく巻いてもらったチョークは8900Hだったが、ショート/オープンを実行し忘れていたから、この値はハズレで、正しくは8500Hだった。

DCRは10,000ωで、昔の高抵抗器が無かった頃の作り方と同じ。

1910-1930年代は、100Ωと表記すると今で言う100kΩの事で、1000ωは1kΩ。コイルのDCRを示す時に良く使われている。

.5と書いてある抵抗は、0.5メグの事で500k。

エスタンの古い回路図も頭を切り替えないと読めない。

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7個のトランスを乗せてモノーラル単発。

モノーラルを極めたいとの事で。

ステレオよりもモノーラルの方が誤魔化しが効かないから難しいけど、質の良い蓄音器は下手なアンプやらスピーカーよりも濃い音が出るから、恐ろしい。
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1:3、1:2ppのZは、設計よりも高くなっているのだけども、電流が流れて、磁化するとZ=1/2になるから、これで良い。

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実験。

〜480vで430v位整流後に出るかと期待したが、実際は410vだった。

データシートを良く見ると、〜600vは印加しないと450vは得られない様である。

シルバニアのデータシートでは〜500vで450v前後の記載だった様な気が…見間違えたかな…

結局セルフバイアスだから実質電圧は下がるわけで、もっと高圧でも良いのだけれども、最大定格でなくても、フルスイングさせて使う事はないであろうし、球にも少し楽させてやった方が良いかなと。
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試しに1段で試聴すると、6kcより上は出難い。

緩やかに落ちて20kcに迄至る。

古いスピーカーや、フィールドスピーカーの8kc辺りが際立って立ち上がっている特性は、こういったアンプで再生する事を考えて、あえてスピーカー側にピークを作っておく事で、減衰分を補おうという目的の元に設計されている可能性がかなり高い事が1つ勉強になった。

即ち、HiFiアンプで古いスピーカーを鳴らすと、耳の痛くなる様な鋭い高域が出るから、これは時代に合ったスピーカーを合わせてやらないと、相性が悪い様である。もしくはハイを回路側で減衰させる。

 

現状でSP盤を再生する分には、ナローには感じないが、SP盤は8kc迄は録音されているから、スピーカーで補うか、回路上で補うか、お客さんと相談する。

もしくはスイッチで、現代スピーカーを繋いだ場合と、時代合わせのスピーカーを使った時とで切り替え出来る様にするか。

iPhoneのマイクであるから、更にナローになっているが、現場では物足りなさは思わせない。