A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

オルトフォンの改造品

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お客さんから、聞いてみてもらって、良くなければ売って欲しいとの依頼。

オルトフォンのSPUのカンチレバー、チップを交換改造した代物との事。

製作者から、凄く良いのが出来たから買ってくれと、半ば押し売りされたらしいが、全くもって気に入らないそう(笑)

お客さんがそう言うんじゃ、幾ら何でも私の所のセットで鳴らしたとて、気に入らないものは多分誰が聞いても、気に入らない音がしそうに思うが(^ω^;;)

まぁ物は試し、聞いてみてください。と預かった。

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客先さん所で見た時にも指摘したのだが、そもそもカンチレバーが横を向いているという。

これではステレオ盤が45-45にならなくて、ステレオもズレそう。

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僅かずつ上を向く様に手直ししたが、パイプのカンチレバーではなく、WEを模したのか無垢棒らしい。

かなり硬そうな棒である。まさかピアノ線?

動きはかなり硬く、古い7gも10gもある様なP.Uを思わす。

ただ、雰囲気的にあまりダンピングしなくて良い様だ。
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SPUを持っていないが、オリジナルよりも飛び出しているのは間違えない。

多分長い分、金属棒の音が共振で現れそうな気はする。

でもって、スタイラスが随分と内向き。

これじゃあ、盤に対して、引っ掻く様な内向きに針が接しそうだが、重くして、押し当てた時に水平になる(?)

分からないが、かなりダンパーが硬いから、かなり重くしても無理そうな気はする。

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試しに視聴…

チーチー チキチキ シャカシャカ。低音は何処行った(ーー;)

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針は思った通り内向き。

これでも結構重く5g

軽くてもシャカシャカとキツい音がするし、重くても同じ。

如何考えても、重箱の隅ついた高音を出そうというレベル以前に、ハイが聞こえない人向けな様な気もする。

ワタシはまだそんなに耳悪く無いお(^ω^;;)

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無音状態でのハムレベル (笑)

ブンブンだけど気にしない方向でw

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チキチキ、シャカシャカしているが、低域が出ていない訳ではないのかな?ハムの方が大きいかな(笑)

トランスが無いから、変な特性なのかなと思って、私が作ったものだけど、MCトランスを入れたのが以下図。
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少し中高域が持ち上がったかも知れないけれど、トゥイーターだけが派手にチャキチャキしていて頭が痛くなる ヒェー(;´Д`)

Jazzもトゥイーターの試験かなってくらい、ハイハットのチャッチャッと凄い音が出るし、チーチーうるさい。カッティングの溝の擦れた時に出たような、ツーツー?キュルキュル?と聞いた事なかったような音が出て耳障り。

申し訳ないが、製作者は耳が悪いのか、それとも相当ナローなシステムを使う事前提で、その出ないスピーカーを鳴らすために際どいハイを持ち上げてHiFiっぽくなっているのか、ともかくどんなセットでこれが都合良く鳴っているのか見てみたいものだが、なんか怖いから関わらない事にする(笑)

 

っで、気になるよね、どんな音がしていたのか。

そう思って、試しにYoutubeのショートを使ってみた。

Iphoneのマイクロフォンだから精度は電話程度なのだろうけれども、昔の物に比べたら、比べものにならない程高性能だから、チャキチャキしている程度は聞こえるかな。

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なんでエハミックのLP選んだかって?

ローもハイも明るく録音されているし、分かり易く変化するから(笑)

それと気に入っているから(爆)です

 

 

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スペアナで確認したのは全て上のディスクで共通に。
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比較に、WE材を使ったハヤシ式PU。高発電MC。

極太のカンチレバーと突き刺さったデカイ スタイラスにダブルヨークの物凄い作品。

本体がサウンドボックスみたいに、ガンガン、ジャンジャン響き振動する(笑)良いのか悪いのかわからない。

SP盤みたいなDeepな音がする。高域は緩やかに引き気味だが、中身の濃い音がする。

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スミコのEVO3

一番まっとうに感じて気に入っている。

MCであるが、高発電型だからトランス不要。

真ん中が明るい印象はする。

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Evo3に似ているけど似てないMCのPU、DL103R

フラットな感じで雰囲気は似ているのだけども、Evo3程中身の濃い音がしない。

NFが掛かっているみたいな、凹凸感の薄い音がするが、HiFiの基準にはなるかな。

面白い音はしにくい。

低域もフワリもドーンともしていなくてスマート。いや、全てがスマートな感じ。優等生が面白くないのに似ている。盛り上げ役が居ないと超ツマラナイ。

MCトランスが必要なのだけども、トランス昇圧がなくても、フォノアンプが普通一般の球ではないから、小信号MCも増幅できるから、トランスの味付けはない。

トランスを通すと少し力んだ雰囲気が、柔らかくなるかもわからない。トランスが盛り上げ役かも(笑)

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Decca Mark V

Evo3に近い中身の濃い音がする。

低域が出易い。PUの共振に合うとピークが立ち上がってくる。中高域。

カンチレバー全体が鉄板?リン青銅?鋼?かなり変わった構造である上、センターコイルなる、モノーラル盤でもステレオでも両立させるコイルが入っている。

普通は45-45でコイルは2つ。

Deccaは、45-center-45で3つある。

内部にあるプラスチックの板にある位相調整ネジを触られてしまうと、オシロスコープと基準信号が録音された調整用ディスクがないとステレオ位相が回転してしまって、モノーラルやステレオが打ち消しに働き音が変になる。

大凡壊してあるものが安くオークションに出回っている(笑)

それを安く仕入れて直して高く売るという循環である(爆)

これも素人が興味本位で触っちゃって位相を90°もズラしちゃった品物だった。モノラルは90°ズレて出るから、モノーラルなのに不思議な立体感のある音がしていて、ステレオで90°ズレた録音が打ち消しで音が消滅するという手品的なPUになっていた(笑)

手前ボーカルが抜けて、バックコーラスだけが鳴る面白い状態。

板のカンチレバー自体は回転方向へ持って行かれない様に紐で吊ってある。

僅かテンションを掛けて引っ張ってあるのがデフォルト。

 

板のカンチレバーだから、板の固有共振が来ると、金属鳴きのピークがあるのは致したか無いが、まぁまぁそれも持ち味として面白くて良い。Deccaらしさと言える。

Evo3と良い勝負と言ったらそんな感じはするが、Vの方が硬いかも知れない。ちょっと疲れる録音に当たるとかなりくる。多分ピークが結構鋭いのだと思う。

Evo3の方がフワリと当たりが柔らかい印象はある。機械的共振ピークが少ないのだと思う。

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RCAのトランスクリプションは最近どうしたんだよって言われそう(; ^ω^)

放送局じゃないけど、物置についしちゃうよねぇ〜(ダメだよw

 

それでいうと、BQ-2Bで使っているM7Dはどれに近いんだろ?

シェルがレコカットのは特殊コネクタだから使い回しできないから比較が難しい。

かと言ってPUをシェルから外す事もしたくはなく(; ^ω^)

 

まぁとりあえず、自分のセットでも気に入らない音がするオルトフォンモドキでした。チャンチャン( ´Д`)y━・~~

 

 

多分、ロクハン1発で鳴らしている様な感じだと、もしかすると良い具合にハイファイに感じるかも知れない。

凄く昔のHiFiが流行った頃の製品にも似ている。あえて高域にピークを作っておいて、HiFiらしさを出していた頃。昭和28年から32年代辺りかな。

あの頃のオーディオはどちらかって言うと、ラジオを頑張って電蓄にした様な感じで、後面開放でベニヤの薄板で頑張っていた感じで、昨今の様な低域は多分出せなかっただろうなぁ。箱がバタバタ鳴って、出ない方が良いやってなりそう。

そもそも、プレーヤーがあの頃のはガラードのRC80が流行っていて、鉄板のプラッタだから、マグネチックはプラッタに磁石が引き寄せてしまって、加圧し過ぎで録音盤も針もダメにする。

マグネットを使わない、ロッシェル塩のクリスタルか、圧電のセラミックか、ゼニスの高周波AM変調かを使う用途のものだ。

リムのゴロつきもあるし、100c/s以下を出そうというのはノイズにしかならなかったと思う。

大凡ランブルフィルタかサブソニックフィルタでカットするのが都合良い程度。

 

ゼニスのAM変調型はワイドでLPもHiFiで聞けるが、ロッシェル塩もクリスタルもSP盤向けな様な気はする。

知らないで使うと音が出ないから、壊れていると思ってゼニス-コブラは捨てられてしまうが、高周波変調モジュレーターがあれば、あれは壊れる要素はないから、音は出る。

針先はオスミウムチップで、ジュークボックスに採用された位に長寿命で壊れ難い。

構造はLの可変をAM変調した高周波から低周波を取り出すだけだから、カートリッジ内は、固定コイルと動く鉄板だけ。

その鉄板に針が付いていて、コイルの横で振動する事で、L、リアクタンスが変化する。

普通ではその変動率を検知出来ないから、高周波バイアスの波形の変化した部分を抽出すれば低周波が得られる凄い方式。

100kcで発振させていれば、半分位、50kcの音は抽出出来る。

これは交流録音方式の磁気録音、テープレコーダと同じで、40kcで発振させて録音した場合は20kc迄は録音出来る。

高周波になれば、テープ自体にもその高周波バイアス信号は許容外で無視出来るから、再生時に高周波バイアスは再生される事はない。

テレコを作ろうと発振トランスを巻いて仮でセットして削除、録音出来たのは感無量だったが、それが出来る迄に至る迄に苦労で、続かず完成していない。

部品は集めてあるが、まぁもう生テープもパンケーキも手に入らないし、作った所で録音する事もないだろう。

球で構成するサーボキャプスタンなんて言うのも馬鹿馬鹿しいかな(^ω^;;)

ハタチ前は熱があったけど、もう再開する事はないと思うけど、老後の楽しみにしようか(笑)

球もテープも無いだろうな(笑)