オーディオリサーチ続編。
エミッション試験。
合格値1550で、±20%である。
全て問題ない具合だったが、どれも基準値を上回っている。
中には2000出る物があって、20%だから1860迄が合格であるから、昔の(?)基準で行けば不合格である。
出過ぎていれば元気が良いかというと、そうではない。
が、最近は結構不適当なのが出回っているのは致し方ない事実である。
アンプサイドのヒーター電圧を見ると、12V印加する場所へ8.2Vしか印加されていない。
ヒーター電圧は±10%指定であるから、最低で10.8Vである。
低電圧でヒーターを点火し使っていると、カソード活性化が上手く行かず、エミッションが悪くなるのが早まるから、ヒーターは定格を印加した方が良い。
ノイズレベルを下げたいのであれば、プレート電圧を下げたやり方の方が良い。
抵抗をチェックして行くと、回路図とは合わない箇所が数カ所あって、Rp 301k指定になっているが、実際には147kである。大凡半分であるが、これはオリジナルか?
リードの曲げが綺麗であるし、燻んだ感じも古そうに見受けられるが、どうなんだろう。
音的には特に問題は無さそうであるが、初段だけがどれも147kになっていて、2、3段目のP-Gダイレクトカップリングのバッファ部分は294kを用いているから、この部分を低くするとバランスが崩れ、歪みが増して使い物にならなくなるのは分かっているらしい。
カソード側は回路図と一致しているから、水色のME(?)は、オリジナルの様な印象である。もしかすると違うのかも知れないが。
気になるから、WebにUPしてあった、Daleで交換している海外の方のを見ると3013だったから、回路図に合わせている。
合わせた方が良いのか分からないが、ハイインピーダンスを避けてS/Nを改善しようとしているかも知れないし、無誘導っぽい良さげな雰囲気がするから、触らない事にした。
回路図上では、100k 5%の表記がある場所に、どう読んでも10.4Ω 0.05%の抵抗が付いている様に見える。
しかしながら、テスタで当たると104kを示す。
どうやら読み方が異なるらしい。アーレンBの古い抵抗表を見ると、第5色目は温度係数の様だ。
読み方は4色で良いという事であれば問題ない。とりあえず一安心。
動作はまずまず問題は起きなくなったが、ContourなるVRの動作がイマイチ分からない。
絞った位置にすると全体ゲインが下がってハイカットの様な動作になりモコモコ凄い。
BassとTrebleのある意味があまりよく分からない。
回路図と見比べても問題がないから、時定数を計算してみると、100pfと500kの位置で3.2kcのハイパスを成して、4700pfと22kで固定の1.5kcのローパスを成している。
図を描いてみると、ハイが下がって低域だけが残る構成らしい。
問題ないのか....(^ω^;;)
Contourの意味をググると、輪郭だそうで。
コンツァーと読むのかな。
モコモコして輪郭をボカすという事なのかな...
試しに100pfの場所へ1000pfを繋ぐと絞った位置でもハイパスが効いてシャリシャリ鳴る様になった。
色々試して10nf程になると回しても殆ど効果が薄れて変化を感じ難くなった。
ラウドネス的な雰囲気の様な、そうじゃ無い様な...結果的によく分からないけども、中央にマークはあるけども、マークに合わせておいて良い具合かと言うとそうではなく、ゲインが落ちるから、トーンONにすると、音が小さく感じてしまって。
最大にした位置で、大凡OFFにした時と同じにはなるのだけれども、音は悪化している様な雰囲気。
固定の4700pfと22kがあるせいか、トーンのセンターに合わせてもフラットは得られていない感じで、中高音が僅か沈む様な雰囲気。
ハイを上げたりローをカットしても、OFFの方がまだ良い。
また、トーンコントロールをONにすると位相が反転する。
Aux入力でもあまり許容がないのか、歪みっぽい気がして、AC電圧を見たら、97V程。
オートトランスで117Vに昇圧してやると幾分音が大きくなって具合良い。
ヒーターもチェックしたら、10.2V出ていた。
それでも、もう僅か低いが、8Vの時よりかマシである。
やはり元からヒーター電圧は若干低く設計しているらしい。
国内使う場合、オートトランスや昇圧トランスを使った方が具合良いのは間違えないが、トランスは必ずシールド型を使わないと置き方でハムを引くし、ギャップコアの場合は広範囲にリーケージフラックスを撒くから要注意である。
117Vで定格で動く様に設計してある場合は、国内で使った場合に、大凡10%減だから、定格内で使えるしBも低くなるから具合良い。
117Vで定格よりも下げた設計では、昇圧しないと具合が悪くなるのは言うまでもない。
とりあえず、これにて様子見にする。