電源部の問題点。
このD5/6は75Vツェナーで、シリースに入っているから、150v安定になる。
最大で150v安定にしたいのは分かるが、パラに22μFが入っているのである。
これは使い方を誤った使い方で、22μFに充電された電圧が150vを上回った場合に、電流制限抵抗がないから、無制限に、コンデンサの内部抵抗/電圧で電流がツェナーに流れる。
500mWだとすれば、3mA程度しか流せない。
電燈線の電圧変動が起きると大きくなると破損する可能性は高いと思われる。
コンデンサを入れて、リプルを取りたい意図は感じられるが、実際はリプルが取れそうで、発振が起きる。
1コンデンサへ充電が始まる、2ツェナーが150vを超えて流れ始める、3急激に電流が流れる為に、150vを下回り、電流が流れなくなる、1へ戻っての繰り返しを高速で起こる。
この充電の速度はコンデンサの容量で変化を起こすが、容量が大きい程、間隔が長くなるから耳にはつき難いが、低周波で暴れる可能性は高い。
それで、このツェナーは、その昔は定電圧放電管であって、これの時には、使い方として、最大でも0.1μF迄にせよ。と説明が有ったが、最近のツェナーのデータシートには説明が無いのか無視して設計しているのか分からないが、相当危険な事をメーカーでもやる。という事である…
ツェナーは一旦置いといて、電源の全体電流が流れず、インピーダンスも高い。
フワフワとしているのを無理矢理ツェナーで吸収して、見かけ上は安定が良さそうにしているが、ブリーダーを入れて、勿体無いが捨てていた方が安定は良い。
古いアンプは20W以上の大きな抵抗で、割と派手にブリーダーで流し捨てて安定を図っている物は多かった。
最近のアンプは、その様な大きい抵抗も、ブリーダーもない物が多いから、昔の余裕に余裕を見ている設計には及ばないであろう。
ただ熱にしている物と思って、どういう効果があるのか分からず外してしまう修理屋もいる様なので、この良さを分かってもらう事は難しいかも知れない。
それで、抵抗平滑を一部やめて、チョークトランスを用いた方式に変更する。
抵抗値的には多く巻いても低いが、平滑レベルは最高であるし、リプルも取れて電圧降下が少ない。
あとは大きくブリーダーで流して、欲しい電圧よりか少し上を出す様にしてやれば良い。
トランスの実験に巻いて作ったトランスが沢山残っているから、これらをバラしてコアを再利用する。
巻いた銅は、保管していても使う用途が限られるから金属屑としてリサイクル。
ボビン目一杯に0.06mmの線を巻いた。
測定試験。
100c/s 1vᔐ にて凡そ300Hある。
直流抵抗値は10.1kΩあった。
ギャップレスで300Hあるから、質は相当。
ツェナーのパラに入っている22μFは取り外し。
0.1μFに変更する。
回路設計が此の儘では良くないから、パターンも変更。
切除してパターン変更。
回路を変える。
中国製の電源トランスやコンデンサは安い上がりであまり良い物ではないかも知れないが、それであろうが根本の設計が変わって、動作が安定的になり、良くないトランスやコンデンサから切り離せる様な、絶縁してやる事が出来れば、特別良質の物へ交換しなくても、問題はない。
もっと本当はチョークを多く入れて、各部分とを絶縁してやりたいが、暫し難しいので抵抗も分離を図る。
とにかく、コンデンサから遠ざけたい。
信号が出来ればコンデンサを通ってはほしくない。
恐らく、ケーブルを伝って、電源のマイナス側のコンデンサを経由してマイナスへ戻しているとは思い難いが、可能性があるなら、パスを追加しなくてはならない。
短距離で戻る様にしなくては質が低下する。