A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

3KP1 自作のブラウン管 オシロスコープ

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続編。

以前にも50mmのオシロスコープを組んだ事があって、大凡ラスタの出し方は分かっていたが、マツダのハンドブックに参考回路があるから、それを参考とし、どの極に幾ら印加すれば良いのか見て仮組みしてみた。

ハンドブックでは数メグΩの大きいVRを使う様な表記があるが、そんな大きいのは現行品で無さそうだから、都合の良い様に変更させてもらって。
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Pg2に700Vでスポットが綺麗に出た。

フォーカスのVRでグッと寄るから具合良い。

ブライトを触るとラスタが移動するのはカソード電流が変化する為と思われる。

最大で明る過ぎになる事はないから、固定で良さそうだ。

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1Mが挟まっているが、高圧Bの陽極側だから900Vが指先に来ることになるが、陰極を触っていないから、感電しない(笑)

ps:半波整流であるが、1段目の平滑が大きい為か、電圧は上昇した。

 

電車のレールはプラスの高圧が通っていて、パンタグラフ側がマイナスであるが、循環する様に触らなければ感電はしないのと同じである。

そういう意味で言えば、地球は非常に特高圧の数十万、数百万ボルトの電圧が来ている訳である。

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Y軸。自分に来ているハムを観測しているようなモノ。
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同相90°

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アンプの終段、プレートの信号を観測してみた。

少々端がボケるし、暗くなるが、まぁ致し方ないか。
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HPや日本光電のオシロを知っていると随分ショボイが、簡単な高圧回路との構成で、これだけ綺麗に見られるだけでも、当時でも凄かっただろうが、今でもそれは不変な様な気もする。

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ヒーターもボンヤリ綺麗でパワースイッチのネオン球の緑とラスタが同じ色彩である。

 

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さて。コンパクトに形にしてみる。

持ち合わせで何とか...
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大分奇抜なのになった(笑)
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振らせるのに40V/cm程は必要であるから信号増幅を2段にしたが、ヒーターから来るハムと、トランスのリーケージフラックスとでスポットにラスタがならなくなってしまう。

6J4では誘導が多い様で、40mm近く出てしまったから、球変更。

6AH6も6AG5も誘導が多く上手くなかった。

6BD6がハムが少なく良好だったが、アンバランスが多く歪みっぽく、右上が潰れる絵になりがちで良くない。

似た球の6BJ6がまだ良い範囲が使えたから、これにした。

三結にしたからゲインは少ないが、歪は的に考えれば5極使いの方が有利であろう。

同じ範囲でμを小さく使うか、大きく使うかの違いである。
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1cm程はやはりどうにも消せず。

増幅の球を抜いても少し小さくなる程度で、完全にスポットにならない。

電源を切った時はスポットに増幅段を動作させていてもなるから、トランス配置がネックなのだと思われる。

良く良く思い出してみれば、トランスが凄い角度で取り付いていたり、シールドが施されているのが普通である。

これは別の用途に作ったシャーシとトランスの乗った物から、オシロスコープに改変したから、有り得ないくらい飛躍している。

何か不都合あっても不思議でない(^ω^;;)

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物としてはオシロスコープモドキ程度であるが、リサジュー観測はそこそこ出来るから、高精度ではないが、大凡把握は出来るかなと。
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高圧整流は1X2Cを使ったが、これは1X2Bと互換である。

内部抵抗のドロップを少なくする為パラった。
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音に反応して怪しく光るオブジェとしては最高だろう(笑)

 

欲しいなんて人は多分いないだろうが、店に置いとく事にする。目を惹く広告にもなるかな。

 

 

ps:

もっとハム消し出来ないか、色々やったが、位相が肝心で小さくならず。

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カソードにハムバッキングコイルを巻いたのを入れて、逆相になる場所を探したりもしたが、難しい。小さくはなってもメビウスの輪になってしまう。位相がやはり合わなくなる。

NFで回転歪消しも試したが良くない。

ヒーターにハムバランサを入れても試したが効果がなかった。

 

結局、一番効果のあった部分は、B+で、ここが丁度綺麗な逆相だったから、平滑のコンデンサを外し、あえてリプルを残して、良いバランスを探ると結構スポットに近くなったのである。

WEの様にB+とKとでデカップリングもやってみたが、位相が回って逆効果になり始めるのが5μF程度で、それが限度らしい。

WEも5μFよりか大きいのが入っていないから、回転を考えての事だろう。

リプルがある程度残っていても、打ち消し効果が得られるのは良い勉強になった。

ただかなりシビアであるから、部品の安定性が非常に重要になりそうだ。