A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Valve300 pt3

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基板裏を見るとSGに行く抵抗が結構な熱が出ていたらしい。

パターンが焼ける程で、抵抗が1個交換されていて、線でバイパスしてある。

SGのレアショートであろうか。

電圧が高いから、何が起きても不思議ではないか。

渡り線の線材は本機に這っている物と同じものであるから、サービスセンターが行った作業なのか?

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吹いたケミコンを外してBだけ別電源で通電してみる。

250Vでは、-Cが深く掛かるせいか電流は全体で10mAも流れず、音もカットオフが掛かっている様な、かなり酷い歪みである。

350Vで20mA流れたが、6L6のカソードに電流を見るのに付けた1Ωを測ると、規定値の5000mho出ていた球だけ5.5mA流れていて、他は1mA流れていなかったり、2mAか3mA程度。

アンバランスが凄い。

 

外したトランスのBタップを見てみると384V出ていて、ヒーター含めて無負荷運転にならなければ、450Vには上がらない様である。

普通であれば、他タップの負荷の有無に関係なく、安定して電圧が出ているのが良いが、どうもレギュレーションの悪いトランスなのかも知れない。

とりあえず、380V程度であれば、リーク抵抗を入れて、半波整流にすれば、そんなに高圧にならなくて済みそうだ。

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それにしても-C回路がどうも怪しいと睨んだ。

リーク抵抗に10kをパラって5kにした所、350Vでトータル250mA流れる様になった。

一本あたり62mAそこそこになる。

リーク抵抗が大きいから、-70V程出ていて、カットオフ動作になるのは当たり前で、B級動作っぽくしている様な雰囲気になる。

回路を見ると、元の抵抗を切って、継ぎ足し交換をした跡がある。

元が分からないが、良い修繕をした雰囲気がしない。

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暫く通電して音を聞いていると、B電流がフラつき出した。

調べるとエミゲンと出ていた6L6の1本がヒーターが点いたり消えたりと接触不良を起こし始めた。

ピンを見てみると、ハンダを当てた跡があって、どうやら当て直しをしている様だが、接触不良は改善されていない。

フラックスを入れてやり、古いハンダを捨てて綺麗に引出し線へと流してやる。

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これで問題なくなった。

エミゲン値はもしかするとハンダ不良か?

青くグローが出ているが、これは漏れた電子がガラス面に飛びついているグローで、真空状態の良い時に現る。

紫色のグローはガスが発生しているから、不良球である。

こういう球を使うとブーンとハムが出るから分かる。

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とりあえず、350Vを印加して、プレートにもSGにも350Vが掛かる事が分かったから、SGは定格の260V程へ下げる事にする。