A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

ナショナル T14-R1P pt3

Part.3

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時間が出来たから、進めてみる。

セレンは通電前はダイオードとしてOKだったが、今確認したら逆方向に100k、順方向に50kという具合。

これでは整流不全であるし、コンデンサが温まるのも訳ない。

シリコン素子に交換。
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そう言えば、ターレットチューナーの中を見ていなかったから、開けてみたら案の定(^ω^;;)

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拭いてやって。

一度カゴを外して接点も手入れした方が良いか考えたが、とりあえず此の儘で様子見。

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抵抗はL型のみチェック。カーボンはとりあえず大丈夫であろうと思われ。(後に調べたら増大化していた)

映像増幅のスクリーンに入っている18kが絶縁物化していた。

これでは高圧が掛からないから絵が出ない。

他、映像増幅の入力カップリングの蝋が溶け出しているから、絶縁が怪しいであろう。

調べると250Vで1Mを切っていた。

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それから、先日見つけた、水平発振コイルが切れているという問題。

あれは調べると不思議な事に切れておらず、1本が何処へも繋がっていないという状態で、蝋を少し溶かしてみたら、まさかの線屑であった。

上手い事内側へ潜っているかの様に片方は沈んでいて、その一方が引き出し側へと顔を出していた訳である。

まぁ上手い事、それらしい場所へ出ていたものだ(^^;;

さて、そうなると高圧が出なかったのは、単なる整流不良であろうか、それともコンデンサか。

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チューブチェッカーを使う機会が出来たから、ついでに球も試験してみる。

そうするとチューナー除く13球中6本が復帰不可なエミゲン。

音声出力の16A8は酷くエミゲンで、音が相当小さくなっていた事であろう。

他に映像増幅の6BX6が、基板に乗った3本全てがエミゲン。

水平発振の9A8も酷くエミゲン。

高圧ダンパー17Z3の不良。

水平出力の25E5もエミゲンであったが、喝入れしてやると、やる気を取り戻した(後にエミッション低下で画面暗くなる)

 

ナショナル以外の球は垂直発振/出力で使っている16A8がフタバの球だから、これは交換したらしい。

他は電子焼けも結構凄いから、もしかすると当時のセットの其の儘かも知れない。

球は手持ちのサービスマン鞄とで間に合って、揃える事が出来た。

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ブロックケミコンは温まった2つを含めて3つ交換。

B電圧だけ印加して温まるチューブラも交換。

250Vで20mA弱流れるから、ペーパーコンデンサのリークか、ブリーダー抵抗の分であろう。

漏れているペーパーコンもチェックして外して絶縁を見てみると500kも出ていて。

ヒーターのA電圧を印加出来ない(CRTが必要)し、ヨークも付けていないから、フライバックにもBが掛からない。

要は水平出力部分の回路には電圧が掛からないから、組立てて動作確認する。

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水平出力の部分のケミコンが分からないから、フォーミングしつつ通電してみると、相変わらず高圧は掛からなかった。

chを回すとパタパタとスピーカーから切り替わっている音がしていて、近々のラジオが鳴っているから、映像検波迄は動作している様だ。

球的には問題が無くなったから、後は同期、水平、垂直辺りのCRであろう。

主にペーパーコンデンサであろうとは推測。