A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

117N7を使った励磁型スピーカー電源の電圧制御機

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久しぶり(?)の研究所らしい仕事をしました(笑)

ただ、只今真っ当に電源トランスも買えないレベルに自転車状態になっているもので良いモノは作れないですが、既存を上手い事使って、それを外部的に制御すれば、1から作るよりかは大幅なコストカットが出来るという点に目を付けて試作してみた。

試作もコストが掛かるから、試作が完成品になるのは御馴染みです(^ω^;;)

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先日サービスマンとして伺った時に、ドイツ、クランフィルムのフィールド型の電圧が結構高くて、チョークを挟むと音が良くなるとの事であったのだけど、別段チョークが良い音を引き立てている訳でなくて、直流抵抗としてのドロップで電圧が下がって中高域の尖った山が下がっただけであろう。

もしもチョークを挟んで改善する様であるとすれば、リプルが残っている電源という意味合いになるが、¥150kもする電源だから、それはないだろう。5U4かを使ってはいるが、他は石だと思われ。ミテクレは良く出来ている。

電力型の抵抗を挟んでやっても、結局の所は同じであろうが、まぁミテクレが重要の場合は抵抗ではダメな事は言うまでも無い。

だから、ケースに入った凄いトランスかと思いきや、レントゲン撮影してみたら驚き桃の木山椒の木。小さいEIかのトランスがコロンと入っていて、コンパウンドで封されているなんてマガイモノ(?)すらある。

コンデンサもモールドの大きい物であったが、これもレントゲン撮影をしてみたら、極一般の小さいフィルムコンデンサがチョコンと中に見えるだけ。

ブロックケミコンだって、基板付のを2、3個アルミ筒へ入れて配線しただけの物は多い。

まぁ良ければ良いのだが、本質を知るとカッガリする様な(?)しない人もいるかも知れないけど、そんなモノには惑わされない様にという意味合いで.....

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....とりあえず、電圧を下げるだけならば、昇圧も必要無いから、117N7を使って制御素子として使って。

ただ、プレート許容電圧が100Vと低いから、これをシリースに使って200Vとすれば、200V迄ドロップ出来る。

350V入れても、出力150V迄下げても問題ない。とにかくP-K電圧を守っていたら良い訳で、SQ-6080でも変わりない。あれも100V100mAであったと記憶。

次に電流は50mAだから、パラにして100mAの余裕にしておけば、60mA位流れてもプレートが赤熱する事もなかろう。

そんなで4本使ってPd20Wは確保している。

 

試運転に250Vを印加し、絞った位置で電圧を見ると7.4Vとかなり小さい。

807の時は40V位は出た記憶がある。

0Vから上げたい場合は、マイナスが必要になるが、トランスレスであるから、既存の電圧を分流して仮想的にアース位置を変えてでも出来るが、電圧が変わると発生の電圧も変化してしまう為、実用的とは言えなそうだ。

また、出力のカソード対アース間の抵抗値が変化しても、カソードから見た、アース対の電圧が変化するから、絞った位置の電圧は多少ながら変化する。

これを補正する回路は今回は含んでいない。

試験中の7.4Vは、1500Ω負荷を繋いだ時の電圧である。

無負荷になった場合も想定して100kを入れているから、絞った位置で無負荷にしても、高圧が端子頭に現れる事はない。

専ら、高圧が現れていたとしても、触った瞬間に電流が流れず、電圧降下を起こす筈であるから、感電には至る事は無いとは考えるが、一応安全の為に。

球式にしなくても、MosFETでも良いのだが、FETだと接触不良だとか、そういう類でバチリとやると飛んでしまって交換が面倒だから、タフな球に。

少し赤熱させても、そう壊れる球じゃない。

ヒーターは巻き量が多いから少しヤワだが、電極はしっかりしている。

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