A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2024/02/25

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計測デスクが片付き始めて、座れるだけのスペース確保出来て。

それで久しぶりに先日機器を通電して動作を確認したのだけれども、壊れた物が大多数。

手入れが必要な時期にまた来た。という、それだけの話である。

とりあえずAB電源のスイッチの接触不良とは解決して、次に歪率計のメーター修繕を。
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ユニットでその場で外せると思ったが、これが外れなくて、ケースからも本体を引き摺り出せず、更に重いという…。
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一旦セットを下ろすにも、上のoscを出さないとならなくて、掃除も兼ねて引き摺り出した。
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時間が経つのは大分早く思う。

ホコリがそれを語る様であって(^^;;
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でもってヤニッコも凄くて。

ハンダ…?いやモクですな。これは(^ω^;;)

洋モクはアルカリ性で、シガレットは酸性。

シガレットは殆ど吸わないから酸化的な腐食はない。

床拭きので拭けば綺麗なもので。


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動作は問題なかった。一応下ろしたから分解してみたけれど、懐かしく修繕していた頃を思い出した。

 


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歪率計のメーターはヒゲゼンマイが腐食。

後ろが切れていた。

これは直せる。

mcカートリッジに比べたら、まだマシである。
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最低Dist 0.1%であるが、当時は電電公社NHKも使っていた機材で、流石に良い出来栄えをしている。

今となっては全くもって使い物にならない分解能、非常に歪みっぽいoscであるが、当時はこれで役に立っていた事を思うと、何とも良い時代である。

メーターを修繕して戻して、久しぶりにDist.SETをやったが、そもそものセットの歪み(oscの)が、0.2%以下にならず(笑)

そういえば、昔の無線と實驗にあった記事の歪率は0.2%〜の表記であった様な気がしてきた。

当時の電話回線は良くて20%、多くて60%と聞いた覚えがある。

遠方になればなる程に、中継アンプを通って歪みが加算される。

増幅側に2%、4%の歪みがあっても、スピーカーコーンの歪みはそれよりも大きいもので、判別は付かないと書いてる記事を読んだ覚えがある。

確かに空気を揺らす訳で、もっぱらイイカゲンな耳で聞いている訳であるから、気分によっても天気によっても、感じ方が変わっても不思議ではなくて。

最終的に“好み”の世界であると分かってからは、歪率の測定よりも、聞いた印象で判断したら良いと思って、使っていなかったのも事実。

ただ、実験として部品単体、素子単体を試験するには、欲するだけの基準を満たすのか、それを知る意味で測器はやはり必要で、基準を満たさない部品を集めて、それを組み立てた時の整合性は、何に依存して起きているのか後に調べるのは苦労するし、あまりにも外れた物は受け入れ難い。

やはり他との整合性もなくなり過ぎる。

 

とまぁ、この辺りの事は、エンドユーザーにもマニアにも関係無いと言ったらそんな所で、音声、音楽を真っ当に聞き取れる、楽しめるかを得らばれたら良いだけである。

製作側からすると、測定器は必要であって、他社のセットと整合性を考えて作る事も必要である。

全てを一貫して、録音、再生ソフト、増幅器、スピーカーを作るのであれば、どんなに不思議なデコードカーブであろうが、最終的に聞こえる音が満足行けば良いと言う話にはなる。

だから古い頃の録音盤は、各社が様々なカーブで録音をしたが、ある時期にRIAAで統一しましょう。と規格化されて、ある意味ではどのセットであっても、同じ音が聞けるという線引きになっているから、トーンコントロールやらが不要でも最低限の満足のいく様になった。

電話機も600Ω統一があるから、規格の電話機であれば、どのセットでも使える訳である。

これが曖昧では整合性が悪くて量産には向かない点でも、規格に準じるというのは、ある意味では楽なのである。

 

P.Uカートリッジも、mmとmcが今は主流であるが、一般にmcは小信号でmmは大きい信号が出る。

それも実際には、mcであろうがmmであろうが、大出力はあるし、小信号型もある。

その基準に、Ortofonかdl-103がmcの小信号型の基準になっている様に思われる。

mmはOrtofonのトランスを出た電圧かSHEREのカートリッジに準じている様に私は思うが、これらは明確に、何mV出るのがmm、mcという基準は無いが、mcよりmmは10倍という設計が多い様に思われる。

もっと昔は、phono入力があっても、アンプにはフォノEQは入ってなく、外部で専用のヘッドアンプ、EQユニットを使って、それを入力するという使い方が一般だった時代もある。

これはGeneralElectricのバリレラが有名かと思う。

SHEREも同じくユニットを売っていた時代もある。

 

現代ではデコードは不要で、入力もAuxiliaryレベル(これの規格も多分無い?)で、1Vを凡そ基準にしている事と思う。

放送局BTS規格であれば、600Ω回線が統一されているが、民生機の場合には、明確な規格は無いが、CDPの出力は10kか20kΩ、アンプの受けは古くは500kか1M、最近では100k程か。

組み合わせ使用される機材の仕様を重要視するのは、作る物が、使いたい組み合わせに対して、如何に整合性が良いかであって、これが合わないで不適当では、それは良い音と呼べるのかは不明であるが、気に入ればそれはそれでも、民生使用であれば問題ない。

業務で使う場合は、例えばコンサートでそれがいつも通り動くのか保証が曖昧では使えない。と、そういう意味である。

 

長く書いたが、エンドユーザーはお金を取って一発勝負の仕事で使わない限り、好きな機材を組み合わせて、好きにやっても良い。自由度は広いから、シビアで高価な測定器は不要。

製造した機材のデータを付けて、最低限の規格を準じていますよ。という信頼性を売るには測定結果は必要。

とまぁ、簡単に説明するとすれば、そういった事です。

…と私は思っています。

信じるか信じないかはあなた次第です…(笑)

 

 

シンジルモノハ スクワレマス…

Oh! マニアの世界。

(笑)

楽しくやれば良いです。人に渡す物を設計するのでなければ。