A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

MI-11888 Pickup Equalizer.

預り修理品。

RCA BQ-2B付属の簡易EQユニット。

(当初はHighフィルタかと思っていたが、調べるとNartbEQユニットであった)

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P.Uを通して、RIAAデコードの入ったフォノアンプへ通すと、かなり音は小さいものの、音は出たが、何か違和感あり。

外して預かった物である。
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回路構成は現物から調べると上記の様。

Gndはシャーシアース用で、信号線とは分けてある所を見るとプロユース感がある。

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型番でググると簡易NartbEQユニットで、これでデコードが出来るらしいが、P.Uから出た信号を直接入れてデコードするのであろうか。

小信号を更に下げてしまって、S/Nが心配になるが、テストしてみる。

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CR的には少しズレが出ているが、100%を越えるモノはないから良しとした。

絶縁も高圧が掛からないからか、とりあえず大丈夫であろう雰囲気。

本当は外して高圧を掛けた方が良いが、それをやると刺激でショートモードで壊すかもしれないから、低圧で良ければ信号であるから良いだろうと。

そうこうしていると怪しい部分発見。

ロータリーswが割れている。
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このユニットを取り外す以前から、配線は外されているし、既にツマミが外れてガタになって取り付いていたから、壊れた物に交換された可能性が高い。

P.Uアームもスピーカー線を付けていたり、不適切過ぎる工作がしてあるレベル。

“海向こう”の結構有名なオーディオショップは、そういう事を良くやるから、まぁ普通かな。

その割に高く売っているけどね(爆)

SWは欠けが酷くはなっていなかったから、組み戻して接着で戻った。

多分、落としたのではないかと推測。

まぁなぁ、戻れば良いとしよう。

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東亜のDist/Oscは20c/s〜20kc迄しか出ないが、特性を見てみる事にする。

目黒のoscは200kc迄出るけど、最近動かしていないから精度がどうかな。やめておく(^^;;

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500c/sの時に-20dBになったから、それを基準としたが、アンプはされていないから、全体ゲイン落としの具合であるから+に書いたのは不適切であったかな。

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P.U出力を直接イコライズするやり方は、ジュークボックスでも、定めし1950年位迄は行われていたのかなと思う。

上の挿絵は、所有のWurlitzer 1015のコントロールユニットである。

マニアにウケの良い(?)LCRである(笑)

生憎、私の持っているのは、P.Uを更新されていて、耐久性の良いセラミックP.Uになっている。

イコライザが抵抗1本で済むという画期的なP.Uである。

盤面を傷め難いという事もある。

少し軽いというのと、鉄のプラッタに対して、マグネチックは、引き寄せを起こして針圧がグンと上がってしまう欠点があり、更新されたに違いない。

Xtalやセラミックはマグネットを使わないから、鉄のプラッタでも問題なくなる。

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この場合、P.Uからの信号はすぐにデコードユニットに入る訳であるが、アンプが無いから、P.Uから短距離、またユニットを出ても短距離での配線が求められるから、箱内でも短距離になる様に配置されている。

これが長くなれば、S/Nを悪くなるのは目に見えている訳で、そういう使い方はしないが、知らないと、長く引き回して使ってラジオが聞けるなんて事もある。S/Nも悪くなるしハイ落ちする。耳あたりの良いマイルドに聞こえるかも知れないが。

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RCAのBQ-2Bの場合は、P.Uからの距離的にも、このデコードユニットを入れてから、ラインアンプに入れるのが普通なのか、それとももっと短距離にラインアンプを入れて、その出力をデコードユニットへ入れて、箱の外へ出して引き回した方が良いのかが、よく分からないのであるが、このユニット自体の出力インピーダンスは150Ωらしく、入力負荷としては、大凡DCR 2k程になる。インピーダンス的には大きいCがあるから、もっと低いか。

普通一般には、P.U負荷は20kか50k程で、巻き数の少ないMCに於いては100Ω台であるが、RCAの局用はどれ程巻いてあるのか?

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イメージ的には、こんな様に筐体にアンプを納めておくのは普通であるが、もしも外部EQの様なアンプであったとすれば、図の様な具合になるかな。

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回路図では、こんな様になるかな。

EQの入力が2kであるから、ドライブをトランスにしないとキツイかな。

それを考えると、P.Uの後にEQユニットかな。

S/N的にはどちらの方が良いかしら。

 

とりあえずは、ユニットの修繕はOK。