A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Columbia EG-37

実は随分前にオクで買って直送に近い感じでやってきた修理依頼品。

コロンビアのP.Uの頭が廻る、“石鹸”が中でも良い音がする。と私が言ったものだから、コロンビアの電蓄をお集めになられて(^^;;

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一見するとゼンマイ式の普通のポータブルっぽいが、電化したバージョン。
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昭和10年辺りの物とあまり変わりないかな。デザイン的には。
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スピーカーはパーマだから、戦後の物と思う。

昭和28年辺りではないかなぁ。

口径は3インチ程かな。ズーンと低い低音は期待できない。
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ACインレットは所謂昔良くあったタイプ。

これが今探しても無い。

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…そうか。と思い付いて、ナナボシのメタコンにすれば変わり映えないなと思って。

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がしかし。開口は角かぁ(^ω^;;)

考える。
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ワニ口でACを供給してモーターとアイドラの様子を見る。

まぁ、驚く程にゴロついている。

ゴロというか轟音。

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アイドラ周りは触られていて、Eリングも無く、モーターがアイドルに不自然な位置にあった時期が長かったらしい。

変形した儘に痕になっている。

ゴムはガチガチ。

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モーターの片線がボディに落ちていて、モーターへ触ると感電するという。

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でもってブッシュが腐っていてモーターボード全体と繋がってしまっているから、プラッタを触るとホット側が入っていれば感電する。
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アイドラは研磨したら、金属が出る程に達してもガチガチで良く無いから、縁だけ巻き直しした。

これで静かになった。
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次にモーターの腐ったクッションを交換して、モーターをOHする。
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最早固形物。
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使わなかった時期が長かったか、摩耗もなく、良い状態。

清掃して仕上げてモーターボード周りは完了。

次。

 

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アンプ部分はトランスが入っていて高圧もフィラメント電圧も出ているが、整流を除いて、単巻きであるから、100の内から6.3を出して、100の倍に巻いて200vが得られる。

コスト的には完全なレス機よりもコストが掛かっているが、倍電圧整流をやらなかった具合からして、少し段階は上らしい。

それでも微妙に安価なモデルではあると思われる。中間とも言えそう。

オートストップ機構があるし。

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部品はナショナルから譲って貰っていたのか、バルク納めの物らしき表記で容量等が分からないが、回路は6Z-DH3、UZ-42、KX-80HKだから容量が分からなくても大凡見当が付く。

回路も変わった回路は用いていないから、ラジオのAFを抜き出した物と変わらない。

でもって6Z-DH3のカソードはベタにシャーシに落ちていて、グリッドの前にCがあるから、起電力バイアスだと分かる。

ただ1メグだから、あまりバイアスは大きく掛からないと思われる。

これをやるなら5メグは欲しい所。まぁ良い。音を聞いてみて検討する。

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先日、便所の落書きの方で、ブッシュは入れるのが常識であろうと、他でごちゃごちゃやっていた様だが、メーカー品でもブッシュを入れていないっていう。

まぁそんなモンなんです。