A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

簡易2石 イコライザ

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簡易ながらAuxに繋いで、アンプを選ばず使える仕様に。
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先日実験していたゲルマのイコライザの組み合わせをRIAAカーブから、SP盤を聞くのに適当なものへと、また実験。

カットアンドトライ。
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P.Uは今普通一般の小信号型ではなく、ある程度大きい200mV前後あるから、これをまずは適当な入力になる様に調整。

これがまた難しいもので、真空管式であれば、難なく、High受け、Low受けの端子を設けられるが、そういえばトランジスタの回路が出た頃には、High/Lowの端子はなく、“Phono”也の端子1つになっている。

専ら、ある程度の大信号を出す意味は、高感度のヘッドアンプやらは球数が増えるし、高価な物になって当然。

そこで、そのコストを削って、球数を減らして良い塩梅で鳴らす様に開発された時代があった。

ある意味で、フォノEQユニットをケチるためのP.Uとも言える。

球もある程度安く、P.Uにそんなに高出力を求めなくて良くなった頃には、Low端子だけで良くなったとも言える。

今ではAuxは大凡1V程々が基準であるから、幾ら高出力型でも200mV程度ではボリュームを最大にしたとて、大きい音は望めない。

ある程度の増幅と、ある程度の適度なイコライジングが無いと、単にAuxで受けても、低域がスカスカ、高域がシャカシャカでは面白くない。

余程蓄音器の方が良くなってしまう。

 

ただこれがまた難しい塩梅で、P.Uの出力を落とそうとすると、低域が音痩せして、高域も痩せる。

其の儘直に受けて歪まなければ一番良いが、これがどうやっても出力がかなり大きくなり過ぎ、歪んでしまう。

CRのフィルターが濃く出易いのがトランジスタの回路らしい。

球ではコンデンサの容量も小さい…

いや、そもそも入力にコンデンサがなくとも6D6で受けない限りは必要ないと言ったら、そんなである。

トランジスタでもトランスを使った古風な回路があるが、それはそういう面で調整するのの役立つ構成なのかも知れない。

トランジスタは滅法弱い(やっていなかった)から、未知の領域であるが、やれば面白いもので。

そんなで、聞いて音が痩せない時定数、変な音にならない時定数を探すのが結構難しいもので、良い塩梅を見つけて何度か試聴し、最終的に、Auxで受けたコントロールアンプで、トーンコントロールでカバーする方式にした。

聞いた中で、Capitolのレーベルは高音がギャンギャンして、RIAAでも大丈なのではないかと思う程明るく録音してある。

かと言ってこれび合わせると、Victor、Deccaはモコモコになってしまって、どうにも良い塩梅ではないから、大多数の聞いて変でない側へ合わせたから、Capitolや近代SPの場合は、Trebleを絞ってもらえたら、問題はなかろう。

低域を持ち上げただけのカーブ(上記挿絵)で設定しているから、古い録音盤は其の儘でも具合良いはずである。

但し、この測定はP.Uの特性を加味していないから、聞いた印象では低域はもう少し落ちている。

ハイもフラットではなく、撫で肩に下がっているであろうと推測。

SP盤のスウィープ信号が記録された録音盤が欲しい所である。

そうそう出回らないし、欲しがる人もそうそう居ないであろうと思われし。

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最終的にまたカットアンドトライで、Victor Sの盤の盛大な録音に耐えらる様に調整して、また明日最終試験に別のスピーカーで鳴らして、具合が良い事を確認して出荷する。