A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

再検討した117N7 パラレル シングル

実験は良い所迄行ったから、次に形にして、具合が良いか実験してみる。

シャーシに納めると、具合が悪くなるという場合がなくも無い。
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シャーシを加工。数年ぶりかに使う型紙が懐かしく思える。
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かなり込み入って詰め込むから、作るのが大変苦労する。

大変だからこそ他に類を見ない小ささで、且つ本格、整流、増幅を真空管で構成した、“本来の真空管式”と言って良い仕上がりであろう。

巷に出回っている小さい物は真空管はお飾り程度で、中身はICで構成されているから、真空管式と言って良いのか、非常にニワカ的に思う代物は多い。

そういう偽物の様な安価な物と比べられてしまうと、非常に困るのであるが、分かる方には分かるであろう事と思う。

あまり多くは説明していないが、使って貰えば、良さが分かるかと思われる。

そんなこんなで使う部品は今回のこの1台はかなり投資して性能を上げてみる。

ソケットも国産QQQよりも倍以上高価だったアメリカのソケットを惜しみなく乗っけちゃう(笑)

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今回はテフロン線を使ったが、単なるテフロン線ではない。

航空機で使われる物で、高価な銀線なのである(笑)

だから断面が黒く酸化してしまうのであるが、ハンダが乗っていれば酸化については問題なかろう。

組み立てが出来たから、信号を試験的に入れて計測する。

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どうかなと通電すると、モクモクと白煙。

久しぶりに配線ミスをやらかし、ストッパー抵抗5Ωを焼いてしまう。

7番ヒーターとプレートが共通で、8番がRect.のカソードである。

これを間違え、逆でBを引き込んでしまった。燃えた要因は、平滑ケミカルが電流を吸った為である。その前に入れておいた5Ωがヒューズの役目を果たした。

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問題を修繕し試験。

今回は回路構成を一新して、帰還の速いWestern式の信号回路と、Siemensの電源回路(B回路より-Cを得る方式)を組み合わせ応用、実験して良好だった回路方式で組んでいる。

電源電圧が下がるのを防止する為、平滑とバイアスを同時に行う事でロスが兎に角少なくさせる事ができている。

また回路はシャーシアースを必要とせずに、浮いた状態であるが、信号帰還が良い為ハムノイズに悩まされる事も無くなったのと同時に、トランスレス型の問題点、感電の恐れがあるという点も克服したのである。

然し乍ら、電燈線を直に使う回路である事には間違えないから、コンセントへは、ノイズを撒き散らす、スイッチング電源やシールド不良のインバータ等を繋いではならない。

この様な物が同系統に繋がれているだけでノイズが大きくなる。

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今回のこの1台はボリュームがあった方が良いという事を事前に聞いていたから付けたが、VRの負荷が繋がる事になるから、音量は最大でもそんなに大きく出来なくなった。

軽負荷にすると全体抵抗値が大きくなり、今度は音痩せが目立ってくるから、100k程にしたい所。

iPhoneiPodでは最大で出力しても、フルスイングはさせられるかギリギリである。

やはりVRは無い方がスッキリして良い。VRが無ければ、Cバイアス用の抵抗が500kで入るだけである。

 

ただ、かなり今回は部品投資したから、VRで少し劣っても、安い部品で安上がりに作った型式よりも、優秀である事には違いないであろう。

また回路も最短で信号がループし、電源成分とが一緒くたにならない、無駄の無い合理的でありコンパクトに収まったと考えている。