A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

古典的な板アンプ

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スピーカークロスオーバーが組んであった板を譲ってもらったから、トランスとコンデンサを外してアンプを組む事にした。

最初期のアンプリファイヤらしい姿である。

実用も出来るが、どちらかと言えば、この姿でも実用になるという見本的な存在で、店に置いてお客を面白がらせるのを目的とする。
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CH、OPT、手巻きトランスで全て構成。

CHはエリミネーターの電源平滑と、バイアス用に100Ωで巻いた物で構成。

OPTはインターリーブ内巻きにしたから、ラジオっぽい重ね巻よりかは、深みの増すワイドレンジ。

アンティークな絹巻線を使った高級品(笑)

レシオ12:1(imp144:1)

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トランスレスで組んで、出力は程々にあれば十分であるから、期待はしなかったが、4Ω1.5wX2だった。

B電圧が上がらず、70Vだったから、そんなものか。

25L6、1本あたり25mAと軽い動作である。
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抵抗は2本使用。バイアスを印加するのに高抵抗が必要だった。コイルで100kΩを得るとするとかなり巻く必要があり。

接続はウエスタン式にしているから、応答速度の速い信号ループである。

コンデンサは6個で構成。

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単段アンプとしてはかなり原始的であるが、出てくる音は普通一般よりかゆったりと濃い目。

トランジスタのカチカチっとした角を出したい場合には全く不向きであるし、重箱の隅を突いた、シャリシャリ、キンキンはしない。

落ち着きたい時には癒しになりそうである。

ハムも無いし、電源が入っているか分からない程静かで。

何だか、自分が使っていたい気になるが(^ω^;;)

暫く店に置いて、程々したら持ち帰ろう(笑)

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無アースというか、カソード基準で±で電位差があるが、1段で完結させているから、回路内の充電部を触らない限りは感電の危険はない。

勿論、入力端子も出力部も回路的絶縁であるから、感電も電位差も関係ない。

強いて言えば、トランスは巻線同士の容量結合があるから、0.005μF程の容量で交流結合がある。

トランスレスというと、1/2の確率で端子に触ると感電する可能性のある代物が多くあるが、その辺りは、エンドユーザーがどんな使い方をするか分からないから、安全を考慮して作っている。(当たり前の事であるから言わないが)

製作者の考えている使い方と同じ考えでお客が使うとは限らない。

とにかく突飛押しもない使われ方でも問題ない状態で仕上げなくては危険である。

“感電しそうな使い方をする場合は検電器で調べて使って下さい”なんていう危険な代物を作って売ってはならない。

が、そういう配慮のないアマチュア作が安く売っているのも事実で、裁判沙汰になったらどうするのかと思うと肝が冷える。

恐ろしい物が昨今出回っているが、そういう物は絶縁トランスを入れて電源を浮かしておくべきであるし、最低限の配慮であろう。

素人がまた別の素人に売って、説明もロクになくて感電事故になっても問題である。

PSEだの、言い出す原因を作らせない物作りを作り手は配慮する必要がある。プロだのアマチュアだの無関係である。必須である。

 

 

ps:売約済