A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

117L7 / M7 Local Monitor

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117N7はシリーズの中では一番パワーがある球で、P7、M7、L7とこのシリーズは300mW程N7と比べて小さい球である。

今回はL/M7パラシングルをLocal Monitorシリーズとして研究、WE式の1号になった。

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図太い低音は出難いが、以前よりかかなり改善がある。
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ハムレベルは-30dBだから、30mV残っているから90dB/Wのスピーカーで無音時にスピーカーに近寄ると確認出来るが、フィールドスピーカーのハムバックが入っているタイプ乃至、無ければフィールドを逆相で少しハムを残して励磁してやると具合良く打ち消しになる。

フィールドスピーカーは、完全に綺麗な直流にするよりか、少しハムを残して、完全に磁化させない方が良いが、綺麗にした方が高域は僅か伸びる。

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特性はまた山だったが、高域寄りである。

所謂昔のセットの音である。

先日の板っぱちアンプは、店で普通繋ぎの抵抗結合300Bとで比べると大分低域が不足した音で、かなりナローに感じたが、昔のホールの様な何とも言えない雰囲気で、古いホテルのホールの社交会を思わす。タンゴが似合いそう。

映画、シャイニングの様な(笑)

お客の中には、音楽は低域が要だから、ローが出ないのは論外。という方も居たが、まぁまぁ好みであろうが、ドンシャリを好むのは耳の特性上致し方ない。心地良く聞こえるのは事実、そういうセットは良くあるから、そうじゃない逆行きしているのもまた違って楽しめるはずであるが、“右へ倣え”の我國では、そういう“非国民”的な代物に消極的、悲観的で、これはこれで面白いと思うという余裕もない人は多い。それも致し方ない。

その割にはアンティークバルブを好むという意味不明な者も中には居るが。

まぁまぁ、そういうのも1台、違うのも1台。これで気分で使い分けたら良い。同じ様なの何台も有っても面白くないだろう。

 

それと比べて、こっちは高域寄りだから、それよりか少し明るい印象があるが、大凡似ている。

MS737で試聴している限りは低域が不足している印象は無く、充実した明るい音がしているが、会社の山水のスピーカーでは、部屋が広い事もあるのか、開放的であるからなのか、置き場所なのか、低域が随分出ない。ハイも出難いかな。

トランジスタな回路が合ってるのか、結構暗い音がしている様にも思うが、これが一般的か。

とは言ってもMS737は1970年代の物だから、石アンプが全盛期の様にも思うから、近代スピーカーの類であろうが、随分とゆったりとしている。

力で押し出す傾向よりか、小音量で満足の行く様に設計していそうな気はする。今はそういうのは珍しいかも知れないが、バイタヴォックスのクリプシュホーン、あれも似た傾向に思う。

やはり英国的考え方なのか、耳の特性にマッチングが良い様に考えているか分からないが、どちらにせよコストパフォーマンスが良い。省エネ。

力でどうにかしようという大食いアンプが必要な物とは真逆。

1970年代の国産はどちらかと言うと後者で、大食い系かな。明るい音がしない様な気はするが、平坦。

それを補ったのがJBLか。明るい中高音がトレードマークの様な気はするが、大観衆のロックコンサートみたいな、色々な所から音が鳴っている様な、位相というよりかは体感的に感じて楽しむ向けの様な印象。

それで言うとタンノイはクラシックコンサートか。アンプしているのか分からなく、実は増幅している様な、縁の下の力持ちの様な印象。だからJBL的な体感したいという場合には向いてなさそうである。

スピーチをまるで肉声の様に増幅する拡声器。逆を言えば、面白くない音。

プロパガンダ的な、遠く迄良く飛ばす事に特化しているというよりも、英国は耳馴染みの良さを優先しているかも分からない。

その時代、時代で設計が違うとすれば、それはそれに合わせてやる必要はあるだろう。

それも好き好きになるが。

 

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試しに、スピーカーを繋ぎ、ソースを鳴らして聞いている時の特性がどんな具合なのか、スペアナをピークホールドに入れて見てみると、案外フラットに来ていた。

写真は2曲其々で測ったもの。

ソースはエアステーションから直に入れているだけで、EQコントロールも何もやっていないから、ダイレクトであるが、それで具合良いから、これがフラットなアンプだと、低域は持ち上がり過ぎの傾向になる。

幾らフラットに極めたアンプでも、ソースがローブーストを掛けた録音では、フラットの意味がなくなってしまいそうだが、フラット好きの人からするとアリなのだろうか?フラットを極めたいのであれば、グライコが必須になりそうに思うが、その辺は曖昧なのかな。今度尋ねてみる事にする。

 

 

ふと書いていて思ったが、もしやスペアナのOSCが案外ハイインピーダンス出しの可能性があるか?

OUTのVRが其の儘出力端子へ出ていたとすると、トランス受けの場合には、f特性がウネる原因になる。

再度計測する。

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東亜の600ΩoutのあるOSCでスウィープさせたのを測ると僅かながらローがなだらかに。

出ていない訳ではなかった。

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この発振器はハイ受けの抵抗受けには良いが、トランス入力の場合には注意が必要の様である。