A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

RS288 アンプ実験

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ドライブのRENS1264が来たから実験。

Rp68kでsgには100kでドロップしてRk680で2.7V4mA流れた。

μは10。

非常に発振し易く、優れた球であるが、RF用途で使わないからsgデカップリングで発振を止めて安定にさせてしまう。

其の儘反転チョークにクラーフで入れたが、豊かだった低域は全く出ない。

軍用の無線電話の甲高い中高音が出るセットそっくりである。

元々軍用は豊かな低域なんて鳴らす必要がない。

何故ならば、爆撃の低音の方が十分大きいからで、音声を伝達するのに効率の良い音が出る様にしてある。

キャンプのセットは別に普通の低域も高域も出るセットであるが。

そんなで、とりあえず抵抗結合で高抵抗の負荷であると問題なく鳴る事を確認。

ただ歪みっぽいから、どうするか考える。

 

これまた試しに、反転チョークのセンターに高圧Bを印加して、片側だけであるがプレートへ送って、直に反転チョークを使って、グリッド側をカップリングでDCを切ったらどうなるのかも実験したが、ゲインが下がっただけで無線電話の音は変わらなかった。

クラーフの方がまだ良い。

 

ミテクレ的にも使いたくはないが、5965Aをカソードフォロワで押す専用で1本置くかなぁ…

増幅はしないから、5965Aの音には染まらないであろう。

その方が豊かには鳴らせる事は実験済み。

その方がRENS1264も増幅で使えるから、増幅の仕事をさせない無駄使いは避けられるし、もっと電流を絞って軽く使えることにも繋がる。

過負荷という訳ではないけれど、年寄りを定格一杯一杯で使い倒すのは、今後交換ともなった時の事を考えたら、まだ数ある若いのに力仕事は頑張ってもらった方が、長生きしそうな気はする。

そう言った意味でもppはシングルよりかバイアスは深く出来るし、暖機運転の時の負荷も軽く済む。

古い球で尚且つ手に入らないならば、労った方が良いだろう。

 

§ 

 

 

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RS288は送信管な割にグリッドが吸い込まない。

アメリカは押し込みスタイルが得意で、力いっぱい押し込んで、ガンガン働くが、欧州は真逆で、まるでバイポーラトランジスタと電界効果トランジスタ位に異なる様な印象。

 

バイポーラは例えば100mAをベースからエミッタに流したとすると、μが10ならば、コレクタからエミッタに流れる電流は1000mAである。

球でいうA2級動作と同じ。

電界効果トランジスタFETの場合はゲートからソースへは電流は流れず、ドレンとソースへ電流が流れ、電圧に対して変化を起こし、そこへ抵抗を入れれば、その変化分が変調になる。球でいうA1級と殆ど同じと思う。電気的ショックのタフさは球のが優位。

 

欧州は定格出力の半分か位迄は歪みも小さく問題ないが、それ以上、最大付近はかなり弱い。

例えば5W出るセットでも1W程々が限度としていれば、歪みなのない良い部分を使って、後はマージンに回す。

ちょっと欲張る事も出来るけど、歪みっぽい。

段々と疲れを見せる様な具合。

アメリカンな押し込むスタイルは、突然に歪みレベルが上がる様な感じで、限界迄は頑張り踏ん張る様な体力自慢系な感じに思う。