A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2023/04/15

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球のフォノEQは相当上手く作らないとエフェクターかノイズ添加機にしかならないが、石ではどんな物なのであろうか。

FETで構成した物は、昔買って使っていて、今もRCAのトランスクリプションリプロデューサの下に多分寝ていると思うが、S/Nもf特もなかなか良かった。

FETの場合は信号の吸い込みが球の様に極小で、負荷抵抗に忠実な動作になるかと思う。

今回のこのユニットは、2石のゲルマで構成された物であるが。

このPNPトランジスタは、吸い込まずに吐き出す方に働くから、信号は+に吸い込まれず、マイナスへ吸い込まれる事になる。

どちらにしても、少量の電流は流れる。

μ45であるから、入力で100μA流れたら、4.5mAの出力が得られる計算。

負荷は15kだから、50mVあれば2.25V、1.5mA流れる。

2段でNFEQが構成してある。

スルー、テープヘッド、RIAAの3つを選べる。

コンデンサは交換されておらず、オリジナルであったが、流石に古くて容量が抜けていそうであったから交換した。

信号の通り道は出来ればケミカルよりもフィルムが良いだろうが、容量が大きいし、まぁまぁケミカルで。

低域の通過特性の良いタンタルは、ショートモードで故障を起こすから、信号部分に入れると漏れた場合にP.Uを損傷させる可能性はある。


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NF無し。

へぇ。なるほど。球の回路を其の儘置き換えたかの様な使い方だからなのか分からないが、若干のカマボコなf特。

ゲルマニウムは球らしい。と言われる物だが、確かに球らしい素子なのかも知れない。

フィラメント点火が不要であるが、面白い事に立ち上がりもなかなかソフトで、緩やかに上がって来る感じは直熱管の様である。

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スルー/マイク

綺麗に一直線…にはならない(^^;;

これなら、テレフンケンのアンプの方が余程フラットが出ていた。
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テープヘッド

CCIRかと思ったが、低域の上がり方がNABかな。

SP盤の再生に良いかと思ったが、低域が上がり過ぎであった。


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RIAA

ターンオーバーが見えないが、まぁまぁ程々に。

+20〜-20dBで合っている。

 

聞いた感じは少しハイが暗いかなと思うが、嫌な耳に突き刺さる音はしない。マイルドである。

ただし、問題点もあって、電源は分けてやらないとステレオが自動でミックスされている。

低域の干渉は特に大きく、位相のズレで臨場感を出しているソースは、相互で反発する音があって、抜ける音がある。

オリジナルの回路では、200μfでデカップリングして2ユニットを同時に動かしているが、もっと隔てる場合には、各自分けてやった方が良いであろう。

 

§ 

 

 

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珍しくWEの球を求めた。

デザインが良いガラスシェイプである。

全体に電圧が低く、可搬型か、海底ケーブルのアンプに使われる用途かも知れない。

そのクセEf20である。

でもってセラミックカソードであるから、まぁ立ち上がりに時間を要する事…。

電源整流もセラミックカソードの物で合わせた方が良いかも知れない。

 

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今日は毎度の松月庵はお休みである(前の週に聞いていた)から、昼は会社でカレー。

夜は誰も食べない様だったから自分で蕎麦を茹でて。

毎度の“いつもの”を自分で作った訳である。

自分の好きに出来るから、不味くはない(笑)