800はトリタンのフィラメントであるから、使うと衝撃にも弱くなるし、元々脆い類だから、通電の初っ端の刺激で切れないとも限らない。
ただ、通電前に毎度レオスタットを下げておいて、徐々に上げて行くというのは少し手間である。
下げ忘れたら、定格で立ち上がる事になるし。
という事を踏まえて、マッキンのアンプでも採用しているサーミスタを用いる事にするとして、実験してみた。
サーミスターは、冷たい時には抵抗値が大きく、電流が流れて熱くなると、抵抗値が下がる素子である。
電流が多く流れる場合は有効である。
以前にも使った経験があるが、何のアンプだったか…?
欧州のフィラメントがパーっと明るくなるのを阻止するのに入れたかな?
手元に付けているセット本体が見当たらないから、随分昔に作ったセットで、放出した様である。
点火時間は長くなり、ジンワリと温まってくる。2分程は上昇が続く。
暫く動作させ、安定になった時の電圧ドロップは実測1Vで、周囲温度には左右されるであろうが、素子の抵抗値は@0.08Ω程度迄下がる事になる。
データシート上では、.07Ω以下、最大電流時という事になっている。
トランスタップを定格よりか0.8Vか増させて巻いた方が程々良い。