A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Harman Cardon A-5 , A50K.

修理依頼品。

依頼内容、ステレオバランスが揃わないので揃えてほしい。

f:id:A2laboratory:20220909100345j:image

ハーマンカードンの無指向性スピーカーは気に入って使っているが、アンプは使ったことが無い。

更にA-5は完成品だそうで、A-50Kはキット品なのだとか。

今回の依頼品は後者だからキット品であるが、メーカー品の様に綺麗に仕上がっていて綺麗。

ラジオ也アンプ也、幾台かは作った事がある人の作り方に見受けられる。

完全なる素人工作レベルとは違うのは見て分かる。

回路構成は他とは若干違って面白い。

マランツを超えるハドレーもやはり面白い回路設計になっている。

この頃の製品は競っている感があって、それが回路に見え隠れする。

f:id:A2laboratory:20220909131236j:image

スプラグ 160Pが多用されているが、これが逝っていると厄介。古新品といえど、何時迄使えるか分からない怪しい物ではあるが、有っても高価である。

絶縁試験をすると漏れは激しくないから、実用的と判断。

然し乍ら、スピーカー負荷無しでは、モーターボーディングを起こしていて、超低域でフワフリ フワフリとやっている。

NFBが過多であるのかな。

電源のブロックケミコンは試験するとまだ使える。もう少し悪くなったら交換すれば良いであろう。
f:id:A2laboratory:20220909131239p:image

バルブ露光でドライブを見たところ。

スピーカーを繋ぐと問題無いが、ヘッドフォンを繋ぐと330Ωがシリースに入っているから、割と高くなる様な気はするが、330Ω以上でも大丈夫らしい。

負荷の大きさでNFBの量は変化を起こす。

後で調べる。

f:id:A2laboratory:20220909133354j:image

カップリングに問題はなく、定格電圧よりか10%低い(117v 60c/s仕様)だから、それも合っているし、50c/s地域では117Vへ上げると電流が20%多く流れてトランスが熱くなり危険だからやらなくて良い。

関西であれば、117V定格に昇圧しても問題ない。
f:id:A2laboratory:20220909133359j:imagef:id:A2laboratory:20220909133356j:image

DC動作には問題無かったが、AC動作は確かに異常で、バランスが上を向いた時はLchが小さい。

スウィープを掛けて、帯域的に問題はあるのかも見たが一定していた。

バランスVRを回すと、ゾゾゾと鳴るから、カップリング漏れの可能性も考えたが、やはり問題無い。

500kでトーンコントロールが付いているから、12AX7と言えども僅かに変化するバイアスでVRが擦れる音がするらしい。

ドライブ兼コンバータの12AU7とはカソード共用にしていて、そこへNFBが入っている。

X7、U7共に不帰還がされている。


f:id:A2laboratory:20220909144217j:image
バランスが合わないのは、デカップリングも音が帰還するのに通るから、これの容量抜けの可能性があるから様子見に触ったら、バリバリと凄まじい音が出る。

どうやら壊れているらしい。

交換すると良くなってきた。

 

抵抗も試験したが、然程ズレておらず使用可能だった。

バランスVRを確認すると中点にクセが有る模様だが、使用可能。

 

其々のDCバランスは大きくズレていなかったから、球は程々ペアに近い状態で良好。

再調整はした。

 

ラウドネスはボリュームをかなり絞った時に低域が持ち上がる様になっていた。

(減衰を止める方式。ブーストはしない)

中間迄上げると効果はなくなる。

 

ステレオで試験して問題がないか確認する。