修理依頼品。
依頼内容、ステレオバランスが揃わないので揃えてほしい。
ハーマンカードンの無指向性スピーカーは気に入って使っているが、アンプは使ったことが無い。
更にA-5は完成品だそうで、A-50Kはキット品なのだとか。
今回の依頼品は後者だからキット品であるが、メーカー品の様に綺麗に仕上がっていて綺麗。
ラジオ也アンプ也、幾台かは作った事がある人の作り方に見受けられる。
完全なる素人工作レベルとは違うのは見て分かる。
回路構成は他とは若干違って面白い。
マランツを超えるハドレーもやはり面白い回路設計になっている。
この頃の製品は競っている感があって、それが回路に見え隠れする。
スプラグ 160Pが多用されているが、これが逝っていると厄介。古新品といえど、何時迄使えるか分からない怪しい物ではあるが、有っても高価である。
絶縁試験をすると漏れは激しくないから、実用的と判断。
然し乍ら、スピーカー負荷無しでは、モーターボーディングを起こしていて、超低域でフワフリ フワフリとやっている。
NFBが過多であるのかな。
電源のブロックケミコンは試験するとまだ使える。もう少し悪くなったら交換すれば良いであろう。
バルブ露光でドライブを見たところ。
スピーカーを繋ぐと問題無いが、ヘッドフォンを繋ぐと330Ωがシリースに入っているから、割と高くなる様な気はするが、330Ω以上でも大丈夫らしい。
負荷の大きさでNFBの量は変化を起こす。
後で調べる。
カップリングに問題はなく、定格電圧よりか10%低い(117v 60c/s仕様)だから、それも合っているし、50c/s地域では117Vへ上げると電流が20%多く流れてトランスが熱くなり危険だからやらなくて良い。
関西であれば、117V定格に昇圧しても問題ない。
DC動作には問題無かったが、AC動作は確かに異常で、バランスが上を向いた時はLchが小さい。
スウィープを掛けて、帯域的に問題はあるのかも見たが一定していた。
バランスVRを回すと、ゾゾゾと鳴るから、カップリング漏れの可能性も考えたが、やはり問題無い。
500kでトーンコントロールが付いているから、12AX7と言えども僅かに変化するバイアスでVRが擦れる音がするらしい。
ドライブ兼コンバータの12AU7とはカソード共用にしていて、そこへNFBが入っている。
X7、U7共に不帰還がされている。
バランスが合わないのは、デカップリングも音が帰還するのに通るから、これの容量抜けの可能性があるから様子見に触ったら、バリバリと凄まじい音が出る。
どうやら壊れているらしい。
交換すると良くなってきた。
抵抗も試験したが、然程ズレておらず使用可能だった。
バランスVRを確認すると中点にクセが有る模様だが、使用可能。
其々のDCバランスは大きくズレていなかったから、球は程々ペアに近い状態で良好。
再調整はした。
ラウドネスはボリュームをかなり絞った時に低域が持ち上がる様になっていた。
(減衰を止める方式。ブーストはしない)
中間迄上げると効果はなくなる。
ステレオで試験して問題がないか確認する。