A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

AGI 511 スイッチ接触不良

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修理依頼品。

症状:片ch接触が悪い。ボタンを押し直すと良くなる場合がある。
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開腹するとビショビショのスイッチ群が現る。

内1つはベークが割ってある。

割れた断面も、接点復活剤なのか、赤と黒のスプレー缶か分からないが、後者の独特のニオイは無いから、接点復活剤の可能性が極めて高い。

これらが基板にしっかりと染み込んでいるから、絶縁性の悪くなった基板としか言いようが無い。

ベーク板は基本、ワニスで切断面は防湿処理を施すのが普通であるが、割れた場合や処理が不適当であった場合は、積層内に湿気が入り、やはり絶縁低下を起こす。

コンピュータであれば、エラー、バグとなる。

この修理からするに、素人レベルに見受けられる。

修理というより、一時期良ければ良いよね。という甘さが見受けられる。

一旦スイッチを基板から外して脱脂に溶剤で洗うか検討したが、基板のパターンを既に壊してあったから、分解するのはリスクが大きいと踏んで、とりあえず立てて洗う事にした。

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外回りの時間は乾燥期間として、洗えるだけ洗って、再度洗ってと幾度も繰り返し、ようやくグリスと接点復活剤を粗方脱脂したが、まだ残っている。

グリスはスイッチ機構に再度塗布する。
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USメーカーの部品が並ぶ中、ICはKOREA製だった。

型番を見ても何が何だかサッパリで勉強不足で申し訳ないが、推測で4素子入りのオペアンプだろうか。

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切ったのか剥がしたのか、パターンをダイレクトにハンダして繋いでいた様だが、簡単に切れてしまったから、パターン内の端子から線を出して繋ぎ直した。

プラプラのパターンは他にも接触もしていたし、問題ありな修理方法であると見受けられる。

 

問題箇所修繕とハンダクラックがあるから、やり直しやって、明日もまた洗っての繰り返しで元へ戻して行く事にする。