3台目は分解した痕跡が大きい。
引き込みコイルの線がカールしておらず、ぐちゃぐちゃになっていたし、巻紙が白で、巻き直している?
案の定、コイルは断線、スイッチ部分を辿るとショート状態。
これじゃ動くわけない。
巻紙を剥ぐと、1本は切れた儘。
もう1本はシャーシに落ちていて、そのまた1本がシャーシに落ちていた。
どういう修理をしたのだか。
巻いてある線もハネカムで巻いたのかと思ったが、どうも手でガラ巻きらしたらしい。
時間も手間も食ったと思うが、苦労は無駄になってしまったらしい。
両端を調べても導通なし。
まずは幾ら巻いてあるのか調べる。
0.06mmのホルマルかと思ったが、ハンダが乗らないからブラックエナメルらしい。
数している最中、何度か切ったのか、継ぎ合わせてあったが、ただ結んだ様で、ハンダしていない。
これじゃあ絶縁物と絶縁物を結んだだけだから、導通がないのも致し方ない。
更には最後の部分も、引き出し線に結んだだけで、やはりハンダはしていなかった。
元のハンダ部分は外へ出ていた。
何方にしても、ただコイルを巻いただけのストック樽である。
元の線はブチブチで、繋げるのも手間だから、エナメルの46番ゲージで5800回巻いた時にDCR3.0kΩになった。これで良い。
入力トランスとは違うから、まだ巻き易い。
引き出し線を元に戻し、カールさせたら完成。
組み立て、動作試験をすると、どうも反発してしまい急速に止まる。
そうか。巻いてあった方向も逆に巻かれていたのだ。
そこ迄気が回らなかったから、巻いてある通りに戻してしまったのであるが、極性を入れ替え動作する事を確認した。
試運転させておく。