A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2023/08/18

レコカットのシャフト受けが来週上がると連絡があったから、他を見ておく。

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油が結構回っていてアイドラも濡れていてゴムがやれているらしい。
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アイドラのEリングは欠品していて、これも問題であるが、どの速度にしてもアイドラが上下せず固着している。

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78でも33の儘。

どの様に前オーナーは使っていたのか分からないが、印象として状態が悪そうだ。

今になって手入れしてもオリジナルの精度を出すには難しいかも知れないが、オリジナルに近く戻してみよう。

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固着アームの戻しは単純でない程に固着していた。

潤滑油を洗い油の代わりにして浸して、暫くしたら焼く。

樹脂の部分があるから、そこは焼かない様に遮蔽して。

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面白いもので、途端に隙間から染み入った潤滑油が揮発を始めてシャフトが柔らかくなる。

すぐに洗ったらマシン油で油引きして仕上げ。

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固着していた部分が黒く縁になって固まっている。
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こういう具合で。良い。
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モーターも固着が進んでいて慣性が非常に悪くすぐ止まる。

これでは重くて正常トルク以上が必要になって良くない。

オイレスメタルの様なデザインだが、メタルの横にフェルトが挟み込んであるから、やはりオイレスメタルではない。

2000時間程度で2滴程、マシン油をくれておけば良いであろう。

フェルトの場合、既にくれているマシン油に合わせておいた方が無難。

変えると染み入り馴染みが変わるかも知れない。

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手で回して以前と比べて柔らかくなっているのが分かるから、真は出ている。

馴染ませるのに回しておくが、OFFの位置でも電源が切れない事が分かった。

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スイッチを怪しんだが、切り替えた時の音が、どうやら問題ない雰囲気だ。

それで、通電しっぱなしになる原因を考えると、スパークキラーに入れているコンデンサしかない。

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試しに片脚外すとOFFになるから、ショートモードで壊れていた。

これだけ温まりもせずショートしているのは随分凄い。

煙を上げて爆破するものは良くあるが、このパターンは初めて。

古いコンデンサは使う場所によっては危険であるし、真っ当な動作から外れて尚も動く場合があるから、不思議な面白い音が出るかも知れないが、危険である事に違いはない。

これは新しい物へ交換した。

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アイドラは脱脂して洗ったが、固着してモーターに当りっ放しになっていたか、凹んでいた。

かなりツルツルになっているから、研磨をした方が良いかと思うが、ヒビが入っている箇所があったから少し怖い。

どうしようか…
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モータープーリーは珍しくベーク。

これも油を含んでいるから脱脂した。

柔らかさが真鍮とは違うから、ゴロレベルは低いかも知れない。

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プラッタ裏はアイドラが走るから滑らないで完全であってほしいから脱脂洗い。

かなり油になっていたから、これだけでも相当改善されている事であろう。

とりあえず今日はここまで