A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

また ヒースキット

f:id:A2laboratory:20210125152142j:image

先日修理したヒースが帰って来ました。

症状は、初っ端は良かったが、玉転がしを何度かやったら、音が割れる(歪む)他、ブーとハムが出る様になってしまったとの事。

f:id:A2laboratory:20210125152145j:image

調べると入力端子に50k負荷があって70mV漏れているから、大分マズイ。

P.Uが励磁されて歪むし、P.Uを励磁してしまうから、良くないのは言うまでもない。

バイアスも変化してしまうから、カップリングを交換する。

f:id:A2laboratory:20210125170648j:image

絶縁が悪いと思ったが、絶縁は良好だった。

まぁ1個目だから、良品に当たったかな....

f:id:A2laboratory:20210125170641j:image

....と思ったが、カップリングの全て問題ない。

不思議。

メガーが壊れたのかなと、不良を測ってみると漏電を示す。

本当に壊れていなんだ...そうなると...?f:id:A2laboratory:20210125170645j:image

試しにカップリング無しで通電してみて、基板の絶縁が落ちている可能性も考えて色々調べる。

基板の絶縁は問題ない。

しかしながら、初段とは繋がっていない入力端子に10mV現る。(50kの負荷抵抗だけ)

ナルホド。マイナスのアース不良らしいぞ。

電源を切って調べるとシャーシ間で大凡4.5Ω浮いていた。

70mVから推測するに、15mAは流れていた事になる。

入力端子間がこれだけ浮いているとフォノに影響はあるし、Bの方も一緒に浮いていた様である。

酷い箇所は6Ωも浮いていて、バイアスがマイナス側に大きく掛かるのも分かる。

f:id:A2laboratory:20210125170652j:image

もう一方のLchは大凡2Ωと、まずまず低い。

こちらは入力端子間だけで済んでいた様で、電圧は出ていなかったから、Bの方はアースされていた。

基板は2点アースである様で、出力側へ1点落ちているが、パターンが結構抵抗成分が強く出ていて、入力側へ行くにつれて、次第に大きくなる。

入力側のアース不良であるが、特にアースネジも見受けられないから、折り込みのRCA端子の接触だけでアースになっている可能性が高い。

ネジに菊座かで、一体化アースしないと、触っているだけでは接触抵抗が大き過ぎるであろう。

作った初っ端は磨かれ問題はないだろうが、次第に表面は錆びるから、こういう問題が起きる。

f:id:A2laboratory:20210125223135j:image

アースを一番小さい所で取って、入力端子間は0.04mVに収まった。
f:id:A2laboratory:20210125223138j:image

カップリングは問題ないから元へ戻した。
f:id:A2laboratory:20210125223142j:image

ノイズもなく具合良くなった。

これにて完了。