A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

振りベラ破断

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ATLASの標準時計が止まっていて、電池かと思ったが、そうではない。

振り子は中央指示板に接触して更なる落下を免れていた。

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日々進み方向へ振り子を回していたが、遅れていたのは、どうやら接合部が伸びていた可能性がある。

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接合した部分は柔軟さも失われているから、距離的にも短くなっている事と推測。
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多いのは、焼き入鋼か、ステンレス。

どちらにしても、フィーラゲージの様な薄い物。

リン青銅は温度係数的な伸び縮みは小さいものなのか…分からない。

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ガラ箱の中に使えそうな物が無いか探したが無くて、電電公社向けの大きいリレーのバネ板がリン青銅らしい色合いであったが、置き古しではあるが、良く出来たモンで、これを解体してしまうのも気が引けて出来なかった。

店のガラ置き場を見たら、専売公社が昔持ってきた棚のホルダーに、良い具合のSUSのスプリングが入っていて、これの厚みを見たら0.09だった。

具合が良過ぎるから、これを使う事にした。
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2手に割って左右に渡すか悩んだが、1枚でも揺さぶられはする(捩れ)が、すぐに制動が効き出すから良いやと真ん中に。

ハンダで接着されていたから、ピンが入らなくなったが、全て保管しておく。折れたオリジナルらしき振りベラも。
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引っ掛け試験。

位置の微調整はピンの割り込み位置で可変が効くが、少々長くなってしまった(1mm位)から、短くする方向に詰めてピン打ちした。

これで具合良い。

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1時間で-15秒遅れる。

まぁまぁ、そんなに外れちゃいないけれども、標準時計としてはマズイ精度。

追い込み調整する。

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フランスATOの時計は、3日で1秒以内になってきて、かなり高精度。

壁に3点止めで動かない様にしたから、振り子の勢いで本体が揺さぶられる事もなくなり、精度が上がったのかも知れない。

柱は案外本体がフラフラする。壁でも、接している面に隙間があるとガタガタするから、これも精度不良の元に。