A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

DeccaのP.Uを修繕する。

f:id:A2laboratory:20220313222404j:image

預かり品。

P.Uの腹を擦ってしまう不具合がある。

修理をしたという物を何でも買ったそうだが、アロンアルファで修理をしてある。

割と派手に破り壊してある。
f:id:A2laboratory:20220313222407j:image

元々針先はそんなに突出したP.Uではないが、更に内側へ潜っている。

針圧を印加すると更に潜るから、不良を売ったと思われる。

f:id:A2laboratory:20220314214151j:image

主コイルを動かすと基準ディスクでステレオ位相差の再調整が必要になるが、針先にバイアスをかけている糸がアロンアルファで接着されていて、カンチレバーの前に、糸を再度製作する手間が増える。

かと言って技術代?手間賃?は据え置きかディスカウント?それともボランティア?

どうなるか分からないが、ボランティアの風が吹いている気がするから、コストをかけてやり込まない事にする。

技術的にも据え置きに、本体の腹がLP面に擦らない様になれば今回は良しとする。

f:id:A2laboratory:20220314214201j:image

ネジ頭にアロンが流れているからそれを抉り割ってバラした。

糸持ちにも針先にもアロンが流してあったから、センターコイルは外せなかった。

センターコイルのボビンにも流したアロンが層になって、それがギャップを変にさせているから、割り取りたかったが、糸と針をお釈迦にすると不味いから軽く抉って剥離する部分だけにしておいた。
f:id:A2laboratory:20220314214154j:image

5g掛けて沈み具合を見ながら出具合調整。

ダンピングのある盤に耐える様にギャップを取っておかないと他に触るとビビって使い物にならない。

センターコイルは本来はゴムクッションかでヨークの溝へ止まっているのか分からないが、現状ではガタが激しいから、アロンを流すと遊んだ部分に溜まってその分のゲタになってしまうから、そうならない様にアロンで止めた(笑)安上がり。
f:id:A2laboratory:20220314214206j:image

大凡ステレオマグネットの位置はカンチレバーのセンターへ寄せたから、そんなにズレてはいないと思われ。

リサジュして調整すれば良いが、このタイプのアームがないから試せない。

仮想的に溝を再現して、45-45でカッティングした溝の様に2つのピックアップエレメント3を設けて、カッティングを行う様に信号を加えてやれば、ディスクを再生する事なく調整が可能になる。

定しDeccaの製造工場は、そうやって調整をしていた可能性がある。最終試験にはディスクを再生して特性を取っていたと思われる。
f:id:A2laboratory:20220314214203j:image

f:id:A2laboratory:20220314214156j:image

結構出た。これくらいが健康な状態のものに近いかと考えられる。

f:id:A2laboratory:20220314214147j:image