漏れたカップリングを交換してやると、バイアスが狂わない為か、増幅率が増して、ガンとアタックの強い音が出る様になった。
4個のスピーカーを同時に駆動させてもモヂらず、ガンガン鳴る。
下手なパワーアンプよりも遥かに良い質で、不思議とハムもノイズが無くて羨ましい限りで、作り手としては非常に悔しくなる。
それだけ、考えられた設計なのだと思われ、雑な作りの様で、これでも十分に機能に支障が無い様に完成しているのだろう。
国産の民生機とは質が違うのは言うまでもないが、民生機はハムもやや残っていて、ノイズも多い。
業務用となると、ホーン型を使った場合は音圧が桁違いにあるから、民生機程度ではS/Nが悪くて使い物にならないであろう。
そういう事を鑑みて作ってある事は言うまでも無い。
絶縁不良のカップリングは、筒が琺瑯らしく、片面は樹脂で、もう一方はコンパウンドで封がしてある。こちらが巻き始めと思われる。
流石良い作りである。
RCAだから、定めしRCA繋ぎをした電源であろうと思って、回路を追うと、やはりRCA繋ぎがやってあった。
左の薄べったい抵抗がB+のリーク用で、右の緑の薄い琺瑯抵抗がカソード側のである。
B+の安定を図る為に、抵抗を使ってカソードへ結び、カソードとヒーターのCTへ繋いでバイアスを印加する。
カソードバイアスの抵抗には、B+のドロップ分とカソード側との電流が入る。
この部分が、1つ、2つ上のランクのアンプになると、定電圧放電管を使った物へ変わる。
この繋ぎ方をすると、終段が変動しても、バイアスはB+からのドロップ分がある為、丁度C電源を使った時の様に安定に保持される。
シーソーの様に動作する。
しかしながら、6SL7はp-kで繋がっているだけであるから、AB1の範囲でしか動作は出来ない。
それでもAB1のフルスイングさせるだけのパワーは引き出せる繋ぎ方である。
勝手にRCA繋ぎと書いたが、定電圧放電管をBにシリースに入れたらアルテック型と言われているから、これはRCA型としても良いと思う。
都合良いネジを探したら、とりあえず止まったからボンネットを掛けて、見ていたら、凹みが気になり出して。
板金屋兼配線組み立て兼事務員を工場(会社)でやっていた時代があるから、こういう凹み系は気になる。修正。
今思うと、3人分くらいの仕事を一挙にやっていた。手取り給料は15万。1年で確か昇給は500円だった記憶。昭和の話じゃ無い。平成の話である(爆)
よく板金部門の職人から、給料倍額貰えよ。と言われていたのが懐かしい(笑)
今思うと貰いは少なかったが、板金加工、電気/ガス溶接、旋盤、フライス、タレパン、NC、研磨機、磁気抜き、ありとあらゆる部門で一通りやって来たから、その経験値の価値は値段には変えられないはずで、とりあえず自分はそれで満足。
給料が良くても、ドリル1本、ハサミも研げない様な人材が今は残っている様だ。
まぁ何でもダメになったら新しい物を買えば良いやな。金持ち会社は(笑)
仕上がり...
あれあれ、仕上がっちゃった(^ω^;;)
本当は壊して新しく組んでも良いかなと思っていたけれども、あまりにも具合が良くて、直してしまった(笑)
じゃあ16mmトーキーに今度使ってみますかね。
それとも欲しい人いますか?と訊いてみる(笑)
ps:気になって特性を見てみた。
無入力時のハムレベルは-35dB程だった。
両波整流であるが、50c/sが立ち上がっているから、ヒーターから来るハムかな。
トーンコントロール両方Maxの位置。
時代的に考えてもHiFiよりも前のWide-Rangeの頃だから、高域特性はあまり良くないが、出ていても私には聞こえないから、これでも十分(笑)
夕時は疲れるのか、耳鳴りが強く聞こえが悪くなるから余計に聞こえない。
少し高域に行くにつれて、上がり気味の特性は、定めし高域を上げて特性を伸ばそうとした結果と思われ。
昔のトランスは高域にピークを持って来てHiFi感がある様にした物がある。
これはまだ良い方と思う。凄いのは本当に立ち上がっている。
低域其の儘、高域Cut位置
両方Cut位置
あまり山にならないが、低域は引っ込んだ感が感じられる。
ボーカルは良い感じに屋外で聞いている様な雰囲気になる。
ある程度の音量(爆音)を出すと、これの方がフラットに聞こえる。
ライブは本当だったら、ローとハイをカットした山になった音の方が良いが、最近のPAさんは難聴なのか、分かっていないのか、フラットで爆音で鳴らすから、ドンシャリしていて耳が痛くなる。
耳栓するとローは落ちないが、ハイカットになって具合良い。まだ聞ける。
はしゃぎたいだけのコンサートであれば良いだろうが、音楽を聞きたいならば、耳栓必須。
ローもある程度カット出来れば最適だが、体に伝って低域は回り込んで聞こえてしまうから、どうにも難しい。