ナナオラのトランスが会社に転がっていて、廃棄っぽい雰囲気だったから譲ってもらった。
七欧無線電気商会、ナナオラと、八欧電機、ゼネラルを間違われるけど、別会社(^^;;
トレードマークは、ナナオラはNRC。ゼネラルは雷にG。
良くみると1次の巻き始めを派手に飛ばしたらしい。紙が焦げている。
残っているのは85Vタップと100Vタップだけだから、ここへ100Vを入れたら火を噴く。
流石にそれはやっていない様子だけど(^ω^;;)
過去、火を噴かせたのを現場で見た事があるが、結構勢い良い(笑)溶接かなと思う感じである。
巻き数を調べると1次は480Tだった。
巻いてないな。もっと巻きたい。
アルミ箔で静電シールドがしてあった。受信機の場合は0.01μFをACの両端に入れるから、この場合は不要になる。
それと同時に、1次と2次の遮蔽になって、ノイズが回り込み難くなるから、静電シールドは有効である。
特にヘッドアンプ、フォノEQ、コントロールアンプ、小信号を扱う機材は、静電シールド、誘導シールドをやっておくと組み立てた後にノイズに頭を抱えることが無くて済む可能性がある。
元の線はホルマル(?)かのニスが落ちて、裸線に近い部分があったから、レアショートの可能性を考え、絶縁の良好な線で巻く。
再利用できる場合を考えるか、ドラム缶か。
1次はより多く巻き、負荷に対して電圧降下が少なく済む様にする。
最近の巻き数の少ない物は、負荷に対して電圧降下が大きいが、余裕を持って多く巻くとレギュレーションが向上する。
が、何故かそれをやらないオーディオ用。それも高級だったりする。ならば工業用の方がまだ良かったりする。
オーダーしても多く巻きたがらないから、やらないなら自分で作るしかない。
そんな感じで、EDD11のppを組み立てられる様に、6.3Vと整流は4Vで巻く。
テンションを強く巻いたから、かなり小さく巻けた。
Bは半波でしか巻かなかったが、両波でも巻ける余裕がまだあった。
コアは薄い紙が貼ってあって、鳴き防止か?それとも錆防止?分からないが、かなり古そうだ。ボロボロと表面が剥れるが、芯まで錆びているわけではない。
動作試験。
4=4.1V
6.3=6.35V
280=気持ち多く巻いたから290V
良い具合である。
チョークも出力トランスも、3:1も手巻きだから、全部手作りで揃ったわけだ。
手間は掛かったが、古典トランスの様に多く巻いて余裕を持たせた、ゆったりしていながら逆起電力が大きいから球には優しい。
トランス研究家ハヤシさん曰く、巻き数は分解能に繋がるそうである。
私にはそれはよく分からないが、ピークがより大きく、圧縮された歪みきった信号の山が復元されている様な印象がする。
それは、CDをオープンリールテープに録画すると、オシロスコープで確認しても波形が元に戻りつつある現象に近い具合に似た印象である。
昨今の大凡の歌謡曲は、リサジュで確認すると真四角に歪ませて、音圧を大きく得ようとしているが、それが丸くなれば、波形の上部分が補われたという事になる。
元々は上の波形があった物を、スパッと削ぎ落としてあるのである。
従って、高忠実度増幅器を使う場合には、歪んだ音源を鳴らすのは意味がないという事になる。
マスターテープ、乃至それのコピー、サブマスター、PCMであれば-3dBか-6dBのマージンを取るだとかすれば、ピークの頭は潰れるかも分からないが、まだマシであろうと考える。
まぁまぁ、この話はまたの機会にする。
線を力一杯引いて巻いていたから、銅線で手やら指やら色々切れたり、後々に血が出て痛みを伴い出している(^ω^;;)
結構スッパリ切れていて案外深く食い込んでいたみたいだ。
細いのはある程度気を付けないと危険である。
紙も良く切れるが(ーー;)