A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

可動鉄片のコイル

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メーターの感度を上げてほしいという依頼の続き。

巻いてあるのが500mAフルスケールだから、上から例えば5倍巻いたら100mAになるのかなと推測で、試しに巻いてみて。

 

結論から言うと、巻き数には比例しない様である。

電圧が低ければ低い程、電流は多く、電流が少なくなればなる程、電圧が高く鈍感になる。

従って、巻き数が少なく、コイルもショートに近くなれば、大電流を計測でき、フルスケールの電圧はかなり低くなる。

即ち、内部電圧降下は少ないという事である。

 

逆に数百ωも巻くと、電流は数十mAで動く様になって、内部の電圧降下は大きくなるから、電圧を上げられる事になる。

電流計としては、電圧が下がってしまって、非常に損失の大きい物になるから、普通一般には、高感度で巻いて、分流器、シャントによって1/10や1/100といった具合でメーターに送る様にする。

どちらにしても、僅かの電力が指針を動かすだけの力が必要になる。

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幾つかの線経と巻き数で試して、線間抵抗と巻き数がどうやら重要であるらしい事は実験で分かった。

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カットアンドトライを繰り返す。

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fs100mA 3.8vである。

fs 70mA 12vを求めているから、もっと巻く必要があるが、初っ端は3.8vよりも感度を落としたいからコイルを減らせば良いと思ったが、より電圧には過敏に、電流も多量に流れる様になった訳である。

それで、逆に巻き足さなければならない事を学んだと言う訳だ。

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オーダーの電圧/電流、内部抵抗は見本からデータを得たが、実際に何番ゲージの線が何回巻かれているのかはバラす事が出来ないから不明であるが、ボビンに数ターン巻いて、その抵抗値を出して、その内から欲しい内部抵抗時の時の巻き数は計算できる。

ボビンに収まる線経、巻き数でやってみると、少し巻き過ぎた位になって、これはどうやら巻き始めのボビンサイズと、巻けてきた1ターンの距離が異なるから、これを小さい径で計算しているから多く巻けた事であろう。

30回解して、丁度良くなった。

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そんなで、収まる線経で内部抵抗を合わせて巻いてやると、欲しい電圧/電流を示す様になった。

僅か低く供給しているから少し下がっているが、本体側で抵抗のバランサーが入った回路であるから、少しのズレは吸収出来る。

 

これにて完成とする。