A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

似ていて違う 807 シリーズ

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この3つ、どれも同じに見えますが、3種違います。
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右から、UY-807

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中央、1624

これは807がヒーター点火に30秒以上掛かるのに対して、高速動作をさせる為に改良された2.5Vの直熱型。

2E24に似た高速型である。

用途としては、バッテリー消費を抑える為に、使用以外はバッテリーを断じて長寿命化を図ったセットに使われた類。

信号隊ラジオ向けのセットには1624。

テントを張ってキャンプをする様な場合は807で良いという訳である。

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左、1625

807は6.3Vであるが、1625は12.6Vである。

点火速度は807と同じく遅い。

定めし車載向け用途のセットに用いられたと考えられる。

6.3Vの807をシリースにして使っても12.6Vにはなり、単なる大出力を得る為にはそれでも良いが、この場合は、どちらか一方が断線すると通信が中断する事になる。

その様な事が無い様に、フィラメントは確実にバッテリーから1本づつ点火する事で、1本が断線しても、出力が弱くなるだけで、完全に通信が途切れるという事は防げる。

通常はこの手法で設計されたセットが多い。

稀にシリースにしている場合もあるが、更に予備にもう1セットシリースで4本で構成してある場合もある。
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頭から見ると、高速点火の1624は吊り式でバネがある。

807、1625は変わりない。
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807、1624はUYソケットで同じであるが、1625は中型UZソケットであるから、807の場所へは挿さらない様になっている。

1624は807の所へ挿さってしまう事になるが、カソードのピンアサインが異なる為、フィラメントは点火しても、動作はさせられない。

 

似ていても微妙に異なるシリーズが沢山開発されたから、ミテクレだけでは判断が難しいという事もある。