A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

6V6 シングル 7F8ドライブ

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先日の続編。
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シャーシは追加工なしに、既存の穴を使って上手い事乗せた。

7F8はロクタル管であるが、殆ど昨今は使われる事が無い様である。

ソケット袴がシールドになっていて、ノイズには強そうだ。

MTでは12AT7が相当である。

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管を見るとガラス管の割に小さいユニットで構成されていて、ちょうどMTの12AT7のユニットを寝かして詰めたデザインで、先祖である事が伺える。

ヒーターがシリースに入っている為に、外側に渡りで入っている部分も点火され、光る場所が多くて、ミテクレ的には良好に思われる。

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ちょっと危険なカオリがする、手を加えた大きなフィルムコンを搭載させたが、これはSGの安定化とドライブの安定化、ハム取りに入れている。

初段は元から付いていた8μFとチョークを挟んで20μFであるから、リプルが残るのは承知の上である。
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毎度お馴染み、ヒューズは戦前のやり方で、付いていたパイロットを活用した。

組んで通電してみると割と光るから、80mA近くは流れている明るさと思われる。
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然し乍ら、安定して流れていない様で明るくなったり暗くなったり、音がショボったり元気になったり激しい。

コンデンサのショートであれば、とっくにパッと光って飛ぶから、トランスかな?
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色々見て行くとナルホド。

80のハンダ外れらしい。穴が開いていた。それもフィラメントの方。

だから安定してBが出なかった訳で、B電圧も低かったらしい。

修繕してやると電圧は250Vに上がったが、定格は380Vらしいが、結構ドロップしている。

電流を少し取り過ぎてドロップしていると考えるのが妥当か。

巻き数が少なくレギュレーションの悪いトランスである可能性も考えられるが、まぁこの年代からすれば、良い方かな。

鳴きもせず静かであるし。

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回路はロクに考えず手元にある物を組み合わせて組んで、その後から書き出したが、こんな具合で元気に鳴っている。

カソードフォロアにしているから、プレートフォロアの6V6シングルよりか断然歪が低く力強い音がする。

電源が弱いせいか、低域がドンと押せないから、カソードを1000μFというめちゃんこ大きいバイパスにしたが、それで幾分安定的になったか、低域の表現が改善されている。

安く上がりのppと同じか、そこそこと言った具合である。

比較してもかなり深い低域は薄いが、悪くない。結構満足行くレベル。

6BM8シングルも結構良い具合に鳴るが、NFB無しでこれだから、もしかすると負けるかな。

 

気になるS/N、ハムであるが、凄い効き目らしい。

ノイズは聞こえないしハムも聞こえない。

7F8は案外凄い球なのかも知れない。叩いてもマイクロホニックも無い。

フォノアンプを組んでも問題ないか。いや、GTよりも高性能かも知れない。

良い球を見つけた。

 

電源平滑が8μF、20μFで20μFはケミカルのチューブラであるから、これをオイルペーパーかMPやSHにするだけでも電源インピーダンスが下がって低域の元気良さが改善しそうだ。

ケミカルを使わないとモヤモヤ感がなくなり、明瞭感が良くなるのは分かっている。

尚且つ応答速度が向上すれば、次の音が入った時の立ち上がりが良くなるという意味である。

47μFのケミカルを沢山入れてインピーダンスも下げつつリプルも取ろうという代物もあるが、それは安価に似た様な性質にしようという試みであろうが、容量がそんなに無くてもオイルペーパーの類はインピーダンスがかなり低いから、電池駆動の様などっしり感は数が少なく得られる。

どちらにしても、好き好きであるが(^^;;

 

今回のは良い加減な様で、出てくる質量感は気に行っている(笑)から、しばらく使ってみる事にする。