A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

オーディオリサーチ 再び

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1月に修理したAR SP3であったが、“ブーン...プツン...ブーン...プツン”というハムが大きくなる様な症状が大きくなってしまい、どうにも具合が悪く、再度ドック入り。

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試しに出力にどれ程のハムが出るのか見てみると、そもそもハムが多いし、フワフワとしていて安定が悪い。

あまりにも大きい変動があるから、シリコン素子が酷く不良になったと考えられる。
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出力に変化があるという事は、平滑に問題がある物と考えられる。

電源が安定しないから、フワフワと充放電電圧が出力へ現わるものと推測。

Tr.とZd.の構成であるが、石の方は大凡安定的であるが、ツェナーの部分が非常に安定が悪い。

上記はツェナーの一部を観測。

ツノが出たり引っ込んだり不安定。
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100V5Wのツェナーを4個パラって400Vにドロップして安定させるという方式であるが、結構な発熱があり、どうもこれの一部が不良になったり戻ったりを繰り返す模様。

熱で壊れかけているのか、まだ分からない。
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調べると製造は終わっていたが、在庫はあったから入手。

交換する...
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外そうと作業していて発見。

ツェナーが逆さに付いているではないか。

ツェナーは順方向へは単なるダイオードとして作用する。

従って-100Vになってしまい、400数十Vを300Vでドロップしていたのである。

熱量が物凄かった意味はこれだったか。

然し乍ら、Bはドロップしても尚380V出ていたから、ツェナーの容量的に飽和していたか、熱で破損しかけて、ハムが出ていたものと考えられる。

外して調べたのか分からないが、修理工房?壊し屋じゃないですか...(ーー;)

こんなんで高い修理代取っちゃダメでしょ。全く良い仕事してないなぁ...

持ち主には、高い金額出して壊されて帰って来るんじゃこっちの修理が大変になるから、もう依頼しない方が良いと釘を刺しておいた(笑)
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逆向きだった1個を交換するだけでは、モグラ叩きになり兼ねないから、買ってきた全てを交換しておく。

これで解決するハズである。
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500mV程出ていたリプルは10mV以下に落ち着き、非常に安定している。

電圧は相変わらず380V台であるが、ツェナーから出る熱量も下がって良い具合に見受けられる。

明日また試験す。