A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

特性調べる

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耳馴染みの良い音ではあるが、ハイは近代のスピーカーを使うとチリチリ、シャリっとは来ない。

1929年のRCA11を鳴らしたら、不思議と特性が揃う様な、ギャンつかずに、シャキッとして良い具合。

続けてドイツのエクセロでも聞いてみたが文句ない。SP盤聞きたくなる(笑)

Rolaも試したが、やはり良い具合で、低域が不足していた感が解消。非常に聞き易い。2Wayにしなくても満足いく。

古いユニットをバランス良く鳴らすのに適しているらしい。

回路設計も古典式だから、やはり古いスピーカーに対して、マッチングが良いのか。

とりあえず試験してみる。

 

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ハムレベルは-45dB以上であるから、2mV程か。かなり静か。チョークが効率良く働いている。
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周波数特性は上記の様である。

あー。はいはい。こりゃ耳当たりの良い音ですわ(^ω^;;)

ワイドレンジ…う〜ん、現代機材と合わせるとナローかな。低域が豊か。

本格的なアンティークアンプらしからぬ特性。

確かに古典スピーカーの特性に対してマッチングが良いのはよく分かる。

薄いコーン紙のパリッとしたフィールドスピーカーは中高域から上、8-10kc辺り迄にピークがある様な設計が多く、恐らくあえてその様に作っていたのだと思うが、当時はこういうアンプに対して、マッチングがいく様にと設計していたのかな。

クセが強い印象のRolaも、スッキリしちゃって、現代的というか、聞き易い普通になって、逆にこの組み合わせ以外に考えられない。現代スピーカーのパワーありきのブホブホとは真逆であるが、特性的には現代とどっこい。文句ない印象。

HiFiアンプで鳴らそうとすると、クロスオーバーを入れて中高域をなだらかに落としてやらないと、耳が痛くなる強い音がするが、上手い塩梅にならなくて、結局アンプ側のEQで調整した方が変な音にはないが難しかった。

ストレートに繋いで、最高の状態はこういう回路構成でなければ、古典スピーカーを良い塩梅の鳴らす事は難しい様だ。

それで言うと、テスラのユニットは、HiFiアンプに繋いで具合良いから、古いけれども、近代設計に合わせた、ある意味で最新型なのかも知れない。もう半世紀以上が経過しているであろうが最先端を行っていたと考えられる。

ある意味で今に生き残るには、ベストな選択だったと思う。今でも通用するという意味では。

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この特性は、カソードチョークが効いた独特のものなのか調べる為に、試しに同じ値の抵抗を入れてやってみたが、上記の通り変化は無かった。

OPTの巻き方を独特の巻き方にしたからなのか、ヴィンテージの絹巻線を使ったからなのか、まだ分からないが、巻き方が左右している可能性は極めて高い。

フィールドスピーカーはゴロゴロあって、特性がキツイのが多いから、これらを上手く鳴らすアンプを考えて、ユニットを活かす事を考える事にする。課題が増えた(^^;;
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上記はスピーカー負荷で、実際にザーザーと鳴らして測ったが、固定抵抗負荷の時も測っておく。基本はこちらが正しいか。

20kcが立ち上がり気味だったが、スピーカーの負荷が軽くなり、立ち上がっていた事と思われる。

抵抗負荷では均一な負荷になるから、綺麗に揃っている。

以前にKlangfilmのフィールドを聞いた事が客先さん所であるが、極めてギャンついたもの凄い厳しい音がしていたから、このアンプを使ってもらったら、具合良く鳴らせるであろう。

テレフンケンのユニットは多く聞いた事がないが、恐らくクランフィルムと似た様な性質であろうから、上手く鳴るだろう…が、古いテレフンケンを使う方は定めし古典アンプで鳴らしているであろうから、既に塩梅良い音がしていそうだ。