A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

16mmフィルム High-Fiderity計画

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現状、ハムが大きくあまりHiFiではない。

Toneで高域を持ち上げた感は出るが、キツくなるだけで、何か違う感じ。

特にハムは、大音量にするに従い増すから、モーターが回れば気にもならないっちゃならないが、ドーンとした低域が入った時に揺いで良くないのではないかと推測。

改善を考える。

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映写機本体の回路から、光学P.Uの回路を辿る。

横付けの2石の増幅は、マグネチック用で、これはオプチカル/マグネチックの切り替えSWと絡んでB-とエキサイターランプを切断する構造らしい。同時に逆再生の動作を断たれる仕掛けになっていた。オプチカルは逆再生出来る。

試しに光学P.Uの増幅として使おうと組んでみたが、エキサイターランプとの兼ね合いで単純には行かず断念。

光学P.U側は、メイン基板の2石かでMasterとToneのVRに入って終段のドライブに行っている様だ。

構成はゲルマニウムだから、球よりかはノイズは少ないのかも知れないが、ハムは定めし電源回路設計があまり宜しく無いのではなかろうか。

専ら付属のスピーカーを鳴らして具合良く作っているはずであるから、まあまあ、文句は言えない。

動作はB級と思われる。

 

とりあえず、内蔵アンプを通さずダイレクトに光学P.Uを取り出せる様にしてみた。

これならば、光源のランプにあるリプル(ハム)以外は、映写機から混入する事は無くなるはず。
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其の儘アンプに入れてみたが、ゲインが足りず、音が小さかった。

そこで、使っていなかったRCAのアンプ側のMic用の1段、7025を使って、ゲインを稼ぐ事にした。

アンプをバラすとペーパーコンだと思っていた、ワックスのコンデンサからオイルがボタボタ出ていて、オイルワックスだったのかな。

絶縁が1Mを切っていたからこれは交換。

スプラグの黒いのも少しオイルが漏れていたが、絶縁は良好の様だ。

7025の代わりに12AX7-Tがあったから、これを使う。

カソードは直にアースに落ちていて、グリッドに数メグの大きいのが入っていた。

コスト落としの起電力バイアス型が採用してある。

コスト削減と言っても抵抗1本しか減らせないが。

カップリングの容量が大きい物よりか、カップリングの小さい方が安いかな。

質的にはどうだろうか。

カソード直で落ちているから、レスポンスは良さそうだ。

ただグリッドの高抵抗がどれだけの安定性があるか?カソードのデカップリングの不安定性よりもずっと良いかな。速度は速そう。チャージがない分。

定格のRg最大は無視する事になるが。熱暴走は起きないのかな?

TRIOのトライアンプも同様にこれだが、まだ一度も経験ない。

B電圧若干低めだから熱くしない様にしているかな。

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1段増やしてゲインを得て、フルスイング可能な程の音量が得られている。

6L6のppで35Wだから大した事はないが、結構鳴らせる。

タンノイ1本でドーンと外まで轟かせそうだ。

然し乍ら、HiFiにはならず。

作ったエキサイターランプがシビアで、僅かの位置がズレただけでもハイが落ちる。

低域は映画らしい、ドーンとしているが、シャリっとはしない。

光学録音の限界は8kc程か、それとも光電管の感度が悪いか、はたまた専用のエキサイターランプでないと、本領発揮しないかである。

どちらにせよ、内蔵アンプがナローであったわけではなかったという事が判明した。
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とりあえずは、ノイズも少なくなり、自由度は高くなった。

ジャックを抜くと内蔵アンプ側に接続され、ジャックを繋ぐと切り離すという状態。

というのも、単なる分岐では、ベースバイアスが掛かっていて、これがそもそもリプルがあって、カップリングを通して乗算されて良くないという事が判明した為である。

完全に内蔵アンプと切り離さないと、どうにもハムからは避けられなかった。

 

一先ず大音で映画を見てもハムは然程聞こえず、質は上等の様にナローではあるが感じられるから、あと試しにスプリングリバーブの残響効果を追加してみたいというのがある。

大きい映画館の様な距離感が出るか実験してみる。