A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Victorみたいな違う箱に入った真空管ラジオ

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かなり綺麗な筐体のラジオを仕入れた。
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通電するとハムが凄まじいというガラクタ(笑)

通電してみると、確かにサランネットがブーとハムに合わせて凄まじく埃叩き状態に。

ボリュームを上げると更に凄まじくデカい音がするから、AF2段目以降も動作しているらしい。

初めは、ブツッと音がしてハムが出始めたから、42がショートしているのかと思ったが、そうではなさそう。
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Victorのセットを外して上手い事別のキャビネットへ収めたらしい。
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ナナオのダイアルだから、多分これがオリジナル(?)

それにしちゃ、上手い事Victorのシャーシに乗せ込んだものである。

器用な人の仕事であろう雰囲気は大きい(^ω^;;)

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ハムが盛大だから、平滑が上手く行っていない事は間違えない。

ブロックを其の儘測ると認識されず。
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線を外すと、容量も出た。

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元に戻して通電してみるとやはりハムが大きい。

リプルを見ると30V出ている。

次第にブロックが温まってくるから、漏れが大きく容量が低下するのであろう。不良である。
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ブロックの代わりに47μを入れてやると、リプルは1.5V程に。

ハムは聞こえない。

ラクタ回避。実用品へ戻った。

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UZ42のg1を見ると+5.6V出ていて、カップリングが漏れているから交換する。

カソードは13V出ていたが、+5.6Vの下駄だから、-7.4Vのバイアスで動作している事になる。

少し浅めか。

カソードへは32mA程流れている。f:id:A2laboratory:20211024101600j:image

真っ黒で容量も不明であるが、Rgは500kであるし、0.047μ程が一般的か。

これでも-3dBポイントは7c/sだから、0.02μでも16c/sであるから、こんな低い音は鳴らないし不要だからもっと小さくても良い。

0.01μだとしても32c/s。これ位が具合良いかも知れない。
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交換後。0から17mV程を行き来しているが信号を入れているからそんなものか。

カソードは10Vになったから、バイアスは10Vである。

トータル25mA流れている事になる。

 

https://www.instagram.com/tv/CVZBMYElpvi/?utm_medium=copy_link/

 

そこそこに鳴る

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高周波回路を見ると、パッティングが無い事に気付いた。

OSCも普通だったらK-G-Eで3つであるが、1本アンテナコイルへ行っているらしい。

面白い回路みたいである。

ps:調べるとAnt.線を中継するのに端子として出しているだけだった。コイル側へは引き込まれていない。特別の回路を採用しているという訳ではなさそうである。

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回路を起こした。

...普通(^^;;

6Z-DH3のカソード抵抗がなく、Rgが5MΩである点がミソである。

グリッドへ飛びついた電子を高抵抗でリークさせ、起電力を使ってバイアスを得ようと言う設計である。

実際に、-700mVが出ている。

抵抗1本、コンデンサ1個でも減らしてコストカットしようというワザである。

 

やはりパディング無調整、バリコンの調整トリマだけで済ませる方式らしい。

他に、マジックに行っていたと考えられる線の切れ端が残っていた。

元はマジック付き6球のセットだったのであろう。

 

ps:P.Uスイッチが独特の物だった。

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PD、パーマネントダイナミックだったから割と新しい部類。

古いモデルは同じ形でもフィールドである。

薄いコーン紙であるが、フカフカと緩くスイングする。

低域が入ると結構バタバタやっていて、割と出る。

外部入力もVictor RCA端子だから簡単に繋げて具合良い。

RCA端子が一般に広まったが、これの本家本元である。

昔はVictor端子と言われていた。

他は、電話交換機やパッチ盤に使われる110プラグ(ヒャクトーバン)や、抜き差しの多くない場所では、47プラグ(ヨンナナ)が使われる。

ピン数が多くなり、接触と抜け難さの絶対性を求める場合はメタルコンセントが使われた。

BTS規格の古い製品は、110、47、メタコンが多く、XLRはいつから使われ始めたのか?

1955年には、まだメタコンが主流だったと思われる。

 

 

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カップリングに入っていたペーパーコンデンサをバラしてみる。
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結構削ってもコールタールと思われる層が深い。
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結局、削っても見えて来ないからニッパーでザクザク割る事にして、出て来た素子。

ミテクレに対して結構細かった。

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バラすと、ホイルの複数箇所から電極が出ていた。
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最後の方と中間程よりか巻き始め側に細いワイヤが折り込んで入っていて、これが芯材の主リード線に集まり、キャップがされてハンダしてあった。

普通一般に、ペーパーコンデンサの作り方は、巻き始めのアルミホイルに銅箔を挟み込んで、これをリードへハンダして、巻く長さで容量を決めてカットする方式が多いが、実際にはこれには問題がある作り方である。

特に最近の蒸着の場合は、特に問題が大きく、昔の無垢アルミ箔の方がまだマシである。

 

それは何故でしょう。

 

ps:最近のフィルムコンはメタリコンになっているが、それを最小にする為である。

本当に良いかどうかは使っても分かるが、最終的にはバラしてみないと、良い製造具合かは分からない。良い製造ラインであれば、其れ相応に良質なコンデンサと言えそうだ。

分かりますかな。

 

 

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