A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

5Y3 電源ユニット

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多分、私が初めて手にした電源トランスだったと記憶。

尋常の低学年頃だったと思う。今はビルジングが建って、コンビニが入っていたが、昔はミツワタクシーの社員寮があって、右に大きい駐車場と左に奥行きのある2階建の昔のアパート風のがあって、その階段下に、空き瓶やストーブやら、廃棄物に紛れて、箱の無いバラした5球スーパーの残骸が捨ててあって。

スピーカーはフィールドのハークで、白いコーン紙は黄ばんで、長年外に出してあったせいか、薄黒くカビも出ていてが、階段下だから、完全には濡れていなかったらしい。

通りすがりでも、ST管とスピーカーがあると、すぐに気付いたから、飛んで見に行って、確認すると、フォノモーターも転がっていたから、電蓄だったらしい。

丁度洗車していた兄さんが、駐車場からやって来て何か言うかと思ったら、何も言わずに部屋へ戻ってしまって、貰う機会を損ねたかと思ったが、暫くしたら出て来たから、欲しいのだけどもと言うと、こんなゴミどうするの?相当長い間ここに置いてあるから使えないだろうという。

それでも欲しければ御自由に。そういう事で貰ったのが懐かしい。

あの頃には、もしかすると既に社員寮としては使っていなかったかな。

長い廊下の手前の戸は開け放ってあって、薄暗くて、便所臭い様な独特の雰囲気だった。

今思うと、共同トイレで、風呂も無さそうだ。

自分が小さかったから、長く見えたかも知れないが、実際はそんな奥行きが無かったかも知れない。

貰った5球スーパーは、後になってC同調のIFTだったりを考えると、メーカー品ではなく、自作品であろう。

部品配列も縦横に綺麗に収まっていて、素人配線とは思えない綺麗な出来だった記憶。

80は使ってすぐに空気が入ってダメになった。

42もエミゲンだったが、使えていた様な記憶。

最後はどうなったか覚えていない。

6Z-DH3、6D6、6WC5だったと思うが、これもどうなったか記憶にない。

残ったのはトランスとスピーカーのみ。

スピーカーは鹿皮エッジがバリバリで、ヨークギャップが錆で詰まって、フィールドも外してしまって、懐かしむだけの代物。

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そんなトランスが置きっ放しでホコリを被っていたから、使う事にした。

色々実験させてもらった、懐かしい代物であるが、絶縁を見たら1kVで200MΩ出ていたから、まだ大丈夫であろう。

持ち合わせのちょっと古いが容量の大きいケミコンで、2C34のレギュレーションを良くする事にした。

タップが350V両波しかなく、420V位出るかも知れないから、組み立て最中にボルトスライダーに掛けて、コンデンサをフォーミングしてやる。

5mA流して暫く置くと次第に下がってくるから、無負荷の定格一杯迄、上げ続ける。

10mA位流しても大丈夫かも知れないが、熱くなると気持ち悪いから、5mAとした。

100Vに達すると、計算通り420V弱だった。

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2C34アンプ側で使った6SL7の1本がH-Kショート気味だったらしく、ヒーターの一方をアースするとバチリとやるから、コンデンサアースにしてやる事にしてヒーターからのハムノイズは静かになった。

それと、H-Kショートは、叩くと直る具合だったから交換はせず。

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錆で銘板は何が記してあるのか分からないが、刻印は残っている。
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容量があれば、DR-1006が1つあるから、面白いかと思ったが、見合うタップが出ていないから、また今度。