A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2020/01/28

先日、親戚の不幸があって今日は通夜であり、テレビを弄ってる場合じゃないが、礼服を着るまでは良いかなと、少しだけ。

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フライバックの厚いカーボンをIPAで拭き落とし、絶縁計で1kVを印加し試験すると、シャーシ対タップで当たると、ジジッ ジジッと嫌な音がする。

そうこうしていると完全にショート状態になってしまう。

フライバックのコアを当たっても、アークがバリバリ出て閃光するから、完全に付着のカーボンを綺麗にしないと漏れて危険でありそうである。

焼き切るという手もあるかも知れないが、勢いでコイルが焼けても困るから手入れする。

以前に早川電機のフライバックを焼いた事もあるが、それをやって要交換になった経験がある。

裏表で見える範囲、シャーシ取り付け面、タップ間でカーボンの付着が無い様に拭いて、高圧用のポリエチレン被覆線も拭いて。

真っ黒だったのが、ベークの色が出たり、半透明のポリエチレンが見えたりと、綺麗になった所で乾燥。

ベークは断面から湿気を吸うから絶縁が全体に落ちて良くない。

ニスで封がされていれば良いが、これはどうかな。

頃合いを見て、絶縁試験をすると2000メグ以上出ていて殆ど無限大である。

高圧整流管の部分もソケット、コロナリングも洗ってチェックし十分に絶縁が良い事を確認。

組み立て、通電してみる。

球が久し振りの通電でキシキシと鳴いたが、煙も出ず高圧が出始めた。

B整流が5U4だから、倍電圧のセレン式よりかBのラッシュカレントは少なく徐々に充電されるから、部品には過負荷にならなくて良さそうだ。安価なレス式テレビセットとはまた別物だ。

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ジッジッジッジッジッと高圧の水平発振が始まり、薄っすらCRTにラスタ陰が出はじめたから、直ぐにビームネックに巻いているイオントラップをグルグル回して一番ラスタが明るくなる場所を探す。

水平は発振しているが、垂直が全くである。

伸びる気配が無い。
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12BH7を2本で構成している様であるから、ゴリゴリやってみたが、接触不良はない様で、ラスタは乱れず。

電流は流れている様で、球温度は結構熱くなっていた。

チェッカーでGmを測ると100%基準の3200ピッタリ2本共あって、交換したのか、あまり使い倒していないのかの2通りと思われ。

大抵、垂直発振の12BH7は疲れているのによく当たるが、新品値と同じである事には驚いたが、交換する手間代も無くて助かった。

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さて、球でないとすると何か。

故障診断手引書の一般回路を参考に電圧チェック。

ナルホド、単純なミスをしていた。

垂直発振の12BH7に付いている2MΩの抵抗、抵抗値試験に片脚外したのは良いが、試験後ハンダ忘れをし、其の儘にしてしまっていたのである。

これが原因で発振せず、原因を作ったのは自分自身であった(ーー;)

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ただ少し、VRを動かすと発振が一時的に止まって、VRを止めると発振が始まるという、Cくさい難が見受けられたが、かなりのVR接触不良が原因だけであった。

チューナーのchで変化があり、音も出ているから、受信している。

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ビデオを入れると安定して見られた。

然し乍ら、左に絵が寄ってしまう。

調整のマグネットはセンターリング以外無くて、リングを回しても追いつかない。

修理手引きを見ても表記はなく、センターリングマグネットの磁気抜け不良と考えた。

磁石をリングに追加してやって右に来る様になった。

当時の修理手引きにはまだ磁気抜けする事が書いていないのは、テレビ放送が始まってから数十年と経たないからであろう。

半世紀も経つと当時では考えられなかった様な症状が現るのは致し方ない。

CRTの左右に棒磁石の調整マグネットがあるタイプは、何°型なのだろう?

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安定も良いし、フライバックも静かで漏れもなくオゾン臭くもない、良いセットだ。

垂直トランスが僅か鳴いているが、ノコギリ波の為にコアかボビンに伝わって鳴いている事と思われ。
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フライバックは覆われていないが、結構なX線が出ているであろう。

CRTからも出るが、結論的にはどうなのであろう。浴び続けるのは害があるのであろうか。

鉛ガラスでX線を防ぐのも、実はあまり効果が無いとか?

昔のレントゲン技師が纏ってた、有鉛ゴムのエプロンも、X線を通さないとされていたが、実は意味が無いだとか。

当時は防げると思われていた技術も、時間が経つに連れて、研究が進めば、良否が改めて見えてきたり。

新しい物が、必ずしも良いとは、年月を経て結果が出て来ないと分からない事もある。

計算上では良くても、実際とは異なるもので。

 

2時間程、此の儘ビデオを見て時間になったから着替え。

喪装のネクタイだけが見当たらず、究極、行きのmétrosで買うかなという(^^;;

¥1.5k+taxであったが、上質な感じ。

100円の“安かロー悪かロー”っていうローコスト品のとは違くて。

通夜が始まり、お経が詠まれる。

焼香が始まったが、会社の関係で焼香だけで1時間の列であった。

6つの焼香台が常時焚かれるものだから、会場内はモクモク。

モクが嫌いだの云々言っている人には居られない環境下であろう。

500人、もっといたか、会場内がひと段落するまで待機。

これもまた長くて、親族、親戚一同食事を...となっても今度は挨拶と御酌が始まり(^^;;

明日もあるし、良い具合でtaxiで帰宅。

上々にお酒熱燗が入っているもので酔っ払ってますので、テレビ弄りはせず(笑)

高圧感電は痛いのでねw