A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Zenith Solidstate Television 13‘. 1976.

修理/改造依頼品。

ゼニスの古いテレビがあるのだけれども、ビデオが見られる様になるかという問い合わせを頂き。

RF端子しかないテレビをRCA端子を増設するのは可能。

ビデオでも良いしチューナーを付けてもらえば、テレビとして再利用が可能である。

 

他、コンセントが挟んだ拍子に切れているとの事。

8年は通電していないとの事だったから、古い物はコンデンサが破裂しても不思議でなく、破裂すると巻き添えでダメになるのが増えて、修理コスト高になるので、テスト通電せずに送ってもらう様にしてもらった。

爆破した後の処理と修理は一段と面倒である。(基板が電解液で腐った場合は特に不可。ニコイチなら1台生きるかも知れない)

真空管式の空中配線のセットであれば、パンクしていても修理可能。

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モノクロでゼニスという事だったから、もっと古い物をイメージしていたが、1976年型で、私にとってはかなり新しい部類。

Zenithのロゴも旧タイプではなく新しい方。

なによりスリッドステートという表記が近代的である。

あまりトランジスタの製品は好きじゃない(修理が容易ではない点が)が、技術屋(?)として仕事を選べる程ではないから、どれも頑張ってみる。

広告を出せば選ぶ程仕事は来るかも知れないが、期待に応えられなかった時のお客の顔を想像すると、そういうのは気が進まない。

お互いに良い顔出来る付き合い方の方が良い。

知る人ぞ知る存在で十分......なんてカッコイイ事言いたいけど、それじゃ食っていけないからなぁ。困ったモンで(^ω^;;)

どちらにせよ、わざわざ私を選んでくれたのだから、有難いもので。

他にも高い金額出せば幾らでも業者やらはいるだろうし。

 

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切れたAC断面はビニールとで腐食し、緑青の液体が出ていたから、総交換しないと腐って進行する。

1955〜70年代の電線は何がどう作用するのか、ビニールが溶けて銅線を腐食させてベタベタになっているのが多い。

ペーストが線のシース内に吸い込んで腐るパターンもあるが、これはシースの素材が不良と思う。

もしくは、銅線との組み合わせで化学変化を起こしているのかも知れない。

通電確認は、0Vから時間を掛けて徐々に電圧を上げて行って50Vで音声とラスタが出現。

これで大丈夫と思って、電圧を早く上げるとパンクするかも知れないから、この後も徐々に時間を掛けて。

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垂直は良い様子であるが、水平がどうも流れている様な雰囲気。
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アメリカ規格だから115V迄大丈夫であるが、120V設計の様。

フォーミングは115V迄行っておく。最近は電圧が高い方に110V以上に上昇する事は少ないだろうけど、ピークがある事を考えて、余裕を持ってフォーミングしておいた方が無難である。

1割程国内で使うと低くなるが、寿命の面で有利で長くなるから其の儘で良い。

 

裏に垂直も水平も調整VRが出ているから、調整範囲にあれば良いが、調整が効かない場合はコンデンサの容量抜け、或いは抵抗の高化不良が疑わしい。

トランジスタであるから、これが逝っているとまた厄介であるが、時間をかければどうにかなるだろう。

ソリッドステートと書いてあるから、フライバックの高圧整流も高耐圧シリコンダイオードだと思う...けども、もしかすると5642が2つ入っている可能性も考えられるかも...?(^ω^;;)

東通SONYトランジスタ初号機は高圧整流だけは球を使っていた。

モチロン、CRTはブラウン管なる球であるが。

 

さてとりあえず、内部の掃除と回路点検をして、修理とその後はRF変換モジュールを仕入れて、追加工組み込みを行い端子を加工して、調整して完成とする流れで進める。

 

まずは部品集めをしておこう。