A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Silvertone 4769. 1937’s

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入札しておいて忘れていて其の儘落札になったラジオが届いた。

ラジオはまだ何台もあるし、手入れが間に合わないのもあるのに何やっているのだか(^^;;
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電話ダイヤルの様な機構が何なのか気になって見たかった事もあるが、実際見たら別段変わった構造ではなく、モーターが入っている訳でもなく、プリセットで放送局を入れられるというだけ。

ゴツイ機構で、あっち行ったりこっち行ったり紐が掛けてある。

ボタンを押している間はミュートが掛かる仕掛け。
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AC線がボロでショートの危険度は高いが、絹巻きだから、ちょっとのテスト程度なら良いかな。
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内部は割と綺麗である。

mw、sw2段で、高周波1段、オシレータが別球で6J5である。

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燃えた様な抵抗2本と破裂済の燃えたペーパーコンがあるが、ショートはしていない様だ。
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とりあえず通電してみる(笑)

かなり危険だから絶対真似しない様に。

メンテナンスを必ず受けた物を通電して使う様に。

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音は大きく無いが、グリッドに触ってハムが出たから低周波は動作していたが、AF Det 6B6のグリッドキャップが外れていたからこれでは絶対に鳴らない。

戻して調整してやるとmwは受信したがノイズが大きくTBSラジオが薄く聞こえる程度だった。

マジックは閉じない。AVCは殆ど変化がない。

各所の電圧を見てみようと思った時には、大きい電解コンがジワジワ熱くなっていたから中断。

かなり電流が流れる様になっているから、これは交換しないとならないが、オリジナルは其の儘シャーシに残しておく。

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破裂済だったペーパーコンは合理的な複合型であった珍しい。
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トーンコントロールに入っていたもので、260Vを直に切り替えしていたから、接触時のアークがトドメを刺したかも分からないが、焼けてオープンモードで壊れていた。

 

ケミカルを交換、通電確認し、6V6のグリッドをチェックすると14V出ていたから、カップリング絶縁不良であるから交換。

今度は-3.5V出る様になった。Bを浮かしていてマイナスにバイアスが印加されているのであるから、これで良い。

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mw OSC
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sw  low
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sw  high

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どうも6mc-18mcレンジは発振が止まってしまい易い。

6J5の接触も悪いが、マイカかペーパーの絶縁不良が疑わしい。温まると発振が良くなるが、スゥーっと発振が遠くなり止んでしまう。

とりあえず、B側に入っている0.1μFは漏れが激しい訳ではないが、熱くなるから僅かながら漏れているのは間違えない。交換した方が良いから交換。

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各所の電圧は問題ないから、動作自体は良いが、高周波に難あり。
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ラジオ日経はSW Low側でも受信できるギリギリはカバーしているし、それ以上は韓国か中国、モスクワ放送が辛うじて受信できるかも知れないが、波があって聞きにくい。

中波は問題ないゲインがある。

ただマジックアイ6U5は、確か低感度だった様な気がする。その為か影が閉じない。

相当大きなアンテナを立てる事を想定しているのか分からないが、6E5の方が良さそうである。

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試しにバリコンの上のホコリを綺麗にしてやってみると少し感度が良くなった。発振の方は特に左右され易い。アルコールを垂らすだけで変化する。
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発振が止む原因を探ると、マイカコンらしい。

ドライバーの示すマイカを叩いて動かすと発振が安定して、止まる事はなくなった。

やはりマイカの不良らしい。5000pfは手持ちあるから交換しておこう。
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現状でSwLowの最大、Hiの最小でどちらでもラジオ日経が聞ける様になったが、Hiは少し感動が落ちる。マイカのリークか、容量が減っているかも分からない。

OSC 6J5に手を近付けると発振は止むから、メタル管は使えなさそう。

 

発振のプレートに入っている25pfも1V弱出ているから、もしかすると絶縁不良かな。これも交換して様子見しよう。

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ホイルの10pfが幾つかあったから、3つ合わせて代わりに使ってみた所安定が良くなった。

コイルに付いていた5000pfも交換。

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パッティングを調整して感度が良くなって来たが、まだ影が半分程しか動かない。

IFTも少し回すともっと音が大きくなった。
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短波はラジオ日経が終わってしまったから、また明日にする。