低コストで直せるなら。という事で。
あまりお気に召していない様であるが、トランスは大きく余裕のありそうな良い物が載っているし、オイルコンでインピーダンスは低くて質的には良いであろうなと。
ただ、中途半端に改修されていて、リードが足りなくて細い捻線を繋いだプラプラのシリコンダイオードは危険極まりない。
指で触ってクニャクニャ動く。
元は5U4ダブル(?)であろうか、切られた線が多く出ている。
Victorと入っているが、製造元は二井製作所。
この頃の電蓄だったりPAセットでは良く見る顔である。
後で乾燥して絶縁が落ちていないかは試験する。
解体しながら回路を書き出す。
先日の6L6ppと似た具合であるが、このセットは戦後の…1955年辺りの物と思うから、807が主流であったであろうが、6L6を選んでいる辺り、Victorらしいかな。と思ったが、ソケットが交換してあり、もしかすると807であったのを6L6へ置き換えた可能性もあるかな。
アメリカでは、1935年辺りのセットには6L6が使われていて、その前は42。
6L6の時代が長そうであるが、我國では戦前は2A3、42、戦後に807の時期が昭和33年辺り迄続いて、6CA7の登場で6L6を使ったセットは物珍しい気がする。
実際見たことは私はまだない。(手付かずの改造されていない姿では)
これも807であった可能性は高いかもしれない。日本ビクターであるし。
緑色が気に召さない様であるから、黒くしてみる。
元は三価メッキ仕上げらしい。
組込品の一部であろう雰囲気の線が濃厚か。
何のセットに組まれていたのか分からないが、可搬型セットか?
梨地吹きして上から仕上げにマット黒を吹いて落ち着かせる。
定着待ちにオイルコンを試験する。
500V試験で見事な絶縁値で合格。
容量も合っているから、これも合格。
組み付けてみたが接触が悪かったから線を出さないと側に高圧が出るから危険である。
5U4を戻す。
ダブルであろうが、1つは綺麗に埋めてあるから其の儘に。
元へ復元する。