A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

車の電氣時計

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預かり品の続き。

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暫しの調整をすると、ぎこちなく動き出す様にはなったが、暫くすると止まる。

1振動毎に僅かの間隔に通電してテンプを電磁的に引き寄せる。

実測22mAで、テンプを引き寄せる為だけであるから、小さい電流で事足りる。

消費電力は0.26Wである。

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非常に合理的に良く出来た構造である。流石としか言いようが無い、無駄のなさ。

バランスと勢いで動き続ける設計。

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カーボンが付着したのか、埃っぽいのか分からないが、汚れてはいるが摩耗はしていない。
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テンプは尖先ではないが、石が入っていた。良心的。

接触子が僅か内側へズレているが、あえての設定なのか、バランスをズラして励磁する様にする設計なのかが分からないから、後で微調整してみる。
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洗い。
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テンプは割と勢いを付ける為なのか、振動を考えてなのか重い。

特に接触片は念入りに洗う。

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何年動いていたのか分からないが、接触片は摺動子と同じ様な物だから、接していた面は半分以上痩せている。

まだ折れないから良いが、同じ場所を接触させ続けると、早くに折れるであろうから、接触子の位置を調整して変えて、後2回かは位置を変えて使い続けられる様な場所へ曲げ直して。


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当たりを確認、やはり接触子は僅かにズレているのには意味があった。

行き帰りで励磁するが、一方を暫し強く、帰りは励磁時間が僅か短い。

これをバランスして両方同じ様に微調整すると具合は良いが、中央でどちらにも引かれる様で、振りが浅くなった。

バランスが手前に寄っていると、片側が特に強く、帰りは弱いが、行きで強まっているから、バネの勢いで十分に大振りになって具合が良い。

始動もエラーが無いから、これが最良である。

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私の使っているセレン整流器の電源はDCと言えど、平滑回路が無い時代の代物だから、ACリプルが激しくあるから、バタバタとやって勢いが一定ではなかったから、容量が程々あるコンデンサを挟んだが、現代のACアダプタ、スイッチング電源であれば、電源周波数のリプルはなく、高周波の所謂ノイズと呼ばれるモノしか無いから、容量の大きいコンデンサは不要である。

 

これにて一先ず、歩度を見て調整してケースへ組み戻す事にする。