A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2023/11/24

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改造1台と別途、研究用に支給された、既に部品取されたユニットを受け取って。

このユニット、DENON製で、EQ端子が出ている事から、ディスクトランスクリプションかなと思ったけれど、CRのEQ形式であるし、初段が6AU6で、振動クッション付きのタイプ。入力負荷は50k。

この感じ、もしかするとテープヘッドかな。

再生用ヘッドアンプかも知れない。

EQは19/38cm切り替えの可能性も考えられる。

終段はバランスで、トランスが外されている。

回路を書き出してみたが、物珍しい回路ではない。所謂普通。

12AX7より6AU6の方を選んだ理由は分からないが、時代感が暫し感じられる。

1955年辺りかのAKAIのテレコもやはり6AU6が初段に使ってあった。

あれはアンペックスを模したデザインであるが、AKAIはマイクロホニックが大きくて、本体を触っても叩いても、バンバン音が出た。

しかも悪い事に、一旦ハウリングが起きると、フォー、ボォー、と鳴り続ける始末。

あの頃のデッキは、スピーカー内蔵だったからハウリングするのも致し方ない。

 

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HITACHIはウォームアップの11秒に凝ったらしい。

6AU6Aは低雑音?というよりも厳密な11秒立ち上がりという事なのかな。

レスのセットであれば安定的にラッシュカレント制御をしたいものだから、気を使う部分ではある。

これも時代感がある。

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ナショナルは独自のコバルトカソードを用いてマイクロホニック対策をしていたらしい。

マルTの球らしい。

要はマイクロホニックが大きいのは分かっていたし。という具合であろうか。

やはりあまり良い球とは言い難い様な気はする。

マツダは特にこれと言って表記はなし。

 

6AU6の前世は6SJ7に当たる。

アンプのドライブには馬力があって良い球である。

ただこの6SJ7もやはりマイクロホニックは大きいもので、小出力P.Uを受けるのには中々難しいと思われ、記事でもあまり目にしない。

程々の出力のあるP.Uを更に鈍感なアンプへ押し込む為に6SJ7を使う回路は見たことある。

バリレラのEQ回路も6SJ7か6J7が用いられていたと記憶。

バリレラは出力が大きいし、6SJ7のS/Nが気になる程ではないと思われるが、これでDL103を増幅しようなんていうのは無理難題と思う。

相当ホワイトに悩ませられる。

だからトランスで持ち上げる手法が取られていたとも言えるのであるが。

静かなアンプが作れるのであれば、別段トランスではなくても問題はない。