A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

幾ら良い物でも。

幾ら良い物でも、寿命は色々のパターンでやってくる。

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このKT66も、その寿命が来た1本。

通常使用をしようとすると、電極内で火花を散らす。

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安定的に放電させると、紫色に放電し、電流はどっと流れ出る。

勿論、コントロールグリッドの意味もない。

ゲッタは残っているから、言ってしまえば真空ではある。

然し乍ら、紫色に放電を起こす色合いからすると、ガスが出ている。

このガスは様々な要因で出てくる物だが、割と出力管に多い傾向の様に感じる。

最近だと、UY-807。あれも使用していた物が突然と次には放電する様になって使えなくなった。

不活性ガス吸着は通常、ゲッタが残留の空気と共に吸着が進むが、どういう訳か、この吸着が限界になっても尚、ガスが出る様であると飽和してしまうのではないかと考えられる。

金属類から熱によって放出される場合、カソードから放出される場合。

金属類、プレートは特に焼きを施し、ガス抜きを行うが、その工程があまり良くなかったのかも知れない。

 

さて、このガス管になったKT66、これの使い道が無いか検討して、試しにアノードとカソードに逆に電圧を印加してみた。

そうすると、全く放電しない事が分かった。

従って、ガス整流管の様な使い方が出来る可能性があると見受けられる。

但し、一旦放電が起きると、交流の場合には50c/sの周期で逆電圧が加わる。

一方方向へガスで流れが出来た時に、逆電圧を阻止するだけの制御が出来るのかが不明である。