A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

サイラトロン タイマー

サイラトロンというと、一般にノコギリ波を作る為の電子制御管と思われると思う。

CRの組み合わせで、放電を接断すればノコギリ波は完成するが、今回は発振させないで、持続的に放電をさせたリレータイマーのVr.2である。

 

この研究では、水銀整流管のウォームアップ スイッチ操作を簡略化し、自動化をして手間を省こうという意図である。

また、スイッチの切り忘れにて、整流管が温まらずに通電、不安定電子衝突をする事態を防ぐ効果も期待できる。

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以前に実験した時はT66Gを用いたが、今回はGL2050(1G50A)である。

これはG2格子が増やされているが、発振用途ではないから、無視している。

 

前回迄は、自己バイアスにて動作させていたが、それであるとリレーが働いた後もカソード抵抗を電流が流れ、発熱も大きなものになっていた。

同時に大きなワット数が必要になり、10W程々の高抵抗が今度は手に入り難い。

 

それで、今回は正負で整流をし、Comをカソードに、陽極をリレーとサイラトロン、陰極をタイマー制御とする事で、流れる電流は、リレー、サイラトロンで完結する事になる。

 

然し乍ら、気になる点もあって、データシートにある、放電開始電圧である。

大凡サイラトロンはkV単位で動かす様で、T66Gで0.1kV、即ち100V以上で放電が開始するとある。

GL2050に於いては、460Vの指示が出ている。

それで、もし460vも必要になるとすれば、リレーがそんなに高い電圧の物がないし、抵抗でドロップさせるにしても発熱がある。

その辺り、低電圧でも安定的に動作するのか実験をしてみる。
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50Vのタップのトランスしか手元になかったから、1kを繋いでリレーを繋ぐと具合良く24Vがリレーに印加された。定格である。

サイラトロン自体の内部ドロップもある。f:id:A2laboratory:20231010174039j:image

何度か試験し、良好なタイマーになる事が分かった。

発熱も無駄に電流が通る場所が少ないから非常に小さく済む。

実験成功である。

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充電時間でタイマーを制御する方法であるから、大凡ノコギリ波の生成方法と同じ様な具合である。

目分量で決めた時定数では、2分半弱であった。

水銀整流管の予熱時間は300秒辺りだから、時定数を変更して長くしてやれば良い話である。

これの調整は、ポテンショメーターを設けて、調整を効かす様にすれば都合が良い。

これは以前と同じである。