A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

PMX-2 pro 修理

片ラインからゾォーとノイズが出るという事でドック入り。

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無入力でPhono選択でゲイン最大にするとレベルメーターがピークで+3dB振っている。

それくらいのノイズが出ている。

現場で聞いた時は、ピンクノイズみたいな音だった。右chが特に大きい。

1番側は両chからハムが出ているだけで、大きなノイズはない。

2番側はオペアンプが逝っているのかなと推測。

クロスパンポット(?)の端に行くと、両ラインミックスになるそう。

それとガリが酷い。

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とりあえず開腹。もう既に触っているらしい。ネジは緩かった。
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こっちは既に舐めて、通常外しは不可な状態。

ネジは交換。
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ノイズの出ていると思われし、原因のオペアンプは、JRCの4559DD。

今多分現行で無いのではないかな。

4558DDの改良型だそう。

ICが球より手に入り難いという不思議。
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以前にミクサを修理した時に使った4560DDを持っていて、これが4559を改良したものらしい。

手持ち在庫に使えるのがあって良かった。

早速交換して症状が変わるか試す。
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良い。レベルメーターが上がっていたが、殆ど上がらなくなっているが、まだ若干スイッチをパタパタやると-10dBの部分が光るから、ノイズが出ているらしい。

他も同じだけの時間が経過しているから、モグラ叩きになっても厄介であるから、総交換。f:id:A2laboratory:20230810180920j:image

クロスパンポットは、端に行かない様に苦労していた様で、ステープルを植えて、端に行かない様にしていた。
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スライダーはチリ避けがあるが、内部も埃とカーボン屑で汚れている。

接点復活剤をシューっとやっていないだけ凄く状態は良い。

やりたくなるけど、ダメ絶対。
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カーボンを拭いたら、元へ戻す。

このガイドも不要に。
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組み直し。
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試し。OK

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トーレンス2台並べて、DJやっていたら、それはそれで面白い絵である(笑)

 

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少し磨いてやった。

 

 

SP盤も試聴したが、CDの様に躍動感は感じられなかった。

要は、オーバーシュートがなくて、凄く平坦な音。

結構暗い音。

ゲルマトランジスタの方がまだ球っぽいというのか、アナログの針が動いて音を拾ってる感がある。

ICはピークのギャンつきが、凄くベタ。

逆に言えば、聴き易い。

ライブのラッパや弦楽器の、結構ドギツイ生の音は、柔らかくなる。

アナログだと、らしいオーバーシュートで、結構ドギツイ音が再生出来る。

録音ソースも其れ相応に良い物でないとならないが。

そんなで、デジタルに慣れていると、古風な装置から出てくる音は、かなりドギツイ明るさがあって、苦手な人が多そう。

という事は、ライブの生音も苦手かも分からないが、再生の方が良い音になっているのは間違えなさそうだ。

聴き易いという意味合いで。

私はオーバーシュートの多い音に慣れているからか、明るい音が普通に感じられる。

トランスもオーバーシュートのカタマリみたいな物だから、必然的にピークの鋭い、明るい傾向に倒れる事と思われる。

低音が出ていないとか、そういった訳ではなく。

専ら、スピーカー自体が、オーバーシュートのカタマリではある。

制動が幾ら良くても、空気抵抗は大きいもので。

それで言うと高周波スピーカーは、信号をダイレクトに鼓膜を振動させる事が可能なのかな。

よりデジタルな信号を耳に入れるならば、それが1つ手かも知れない。

音の良し悪しは抜きにして。