A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

AGI 511 続き

市場の修理価格は幾らくらい取ってるのかなと調べたら、8万やら10万やら。おぉ取るねぇ(^ω^;;)

マッキンなら20万位しても分からなくないけれど、本体よりも小さい基板1枚にIC乗ったアンプで、その値段取るか…。

逆に手間代貰わな過ぎなのかな(^ω^;;)

というか、手間代って部品代やら使った溶剤やらと違って値段がないから、どう付けたら良いか分からないっていうのが正直(笑)

お客さんが出しても良いっていう手間代を下さいっていう、反対に価値を付けてもらうやり方をしているけど、0円っていう価値の方は多い(笑)

それもお客さんに任せている訳だから、それに文句を言うのは間違っているから、何も言わないけど、2回目来た時には、0円の施ししかしなくなるのは致し方ない(^^;;

でも不思議。10、20万円出すので修理頼みますと来られたお客さんは後々のクレームも無ければ、連絡もない。

それだけお客さんに熱があるから、私もその熱意に応えてしっかりやるから、不具合が3年そこそでは現れないのかも知れないし、やっぱりダメだこりゃって、クレームも言わず、他を回っているかも知れないけど。

もう1つ不思議なのは、作ったアンプ類がオクにも出回らないという。

壊れて廃棄しちゃっている可能性もあるだろうけど、中古で出回らないという事は、買ってくれたお客さんが余程気に入って使ってくれているかの2択だと思うけど、そもそも量産していないから、出回る可能性も低いのかも知れないけれども(^^;;

嬉しい(?)様なちょっと複雑に不安になる様な、複雑な気持ち、少し鬱っぽく思う事もあるけれど、どちらにしてもバッチリな良質な物を作りたい気持ちは変わらないけれども、安上がりにお願いしますっていうオーダーでは、其れ相応の物しか作れないし、そういう物です(^^;;

それに対して色々な注文を出すなら、口出す前に金出しな…とスナックのママが言っていた(笑)

ただ雑誌やらの“先生”になんかなったら、タダの評論家同然。自分は技術者で居たい。

大きい所にいる様な技術者じゃなくて、私が思っているのは、町工場の名も知れない技術者。その方が変な纏いもなくて誠実でいられそうだから。

 

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何度目だか忘れる程洗って、かなり元へ戻ってきていると思われる。

接触率も上がって来ている。

基板に染み込んでしまっている分は脱脂不可。

しばらくすると表面に出てくるから、また洗う。

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試しに検査してみる。

高域側に若干の回転(位相差)を生じていたが、精度は良い方と見受けられる。

CDソースは綺麗にクリップしていて、高忠実に出力している。

コンプレッサーがバッチリ効いていて、リミッターもバッチリである。(四角い波形、サリジューになる。本来、歪みのない音は丸くなる)

CDソースは言ってしまえば歪みの塊りである。

ピークの頭は全てカットされている。

だから、トランスを入れて、クリップした上部分をオーバーシュートで復調しようという試みがあるが、それならまだディスク(バイナル)の方がピークマージンがあって豊かな音がする。

もっとも良いのは、スタジオのマスターテープ。サブマスター良いから売って欲しいものである(笑)

このテープを元に、どんどんと劣化した音にして販売する訳である。

CDをテープに録音し直すと、歪んだ波形が復調するという事もあり、不思議と歪みの少ない音になる。

オープンテープで38cmは次元違いに奥行きと広い範囲を感じるが、カセットでもナカミチで録音すると不思議とオープンに近い音がする。

アカイは大分負ける。(GXC-700番台の頃)

アカイの問題点は、リバース式はアジマスがカセットの出し入れで変化してしまう事。

ホールドが一定ではない。

その問題点を解決したのが、東通工の777である。

あれ安定性は抜群に良い。

対してナカミチは自動アジマスや、コンピュータ制御を用いて精度を持たせている。

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オーバーレベルに達していない時はこの様に右肩上がり、ステレオ感が強い、位相がズレたソースは丸くなる。

完全に丸くなれば、90°の差、45°で右上がりの楕円。

テスト信号を入れると一直線の右肩上がり。

もっぱら、ICはCDやPCMと同じでデジタルだから、+6dBだとかマージンをとって設計している事と思う。

昔使っていた国産のIC制御のセレクターは、上が0dBで、入れた音が全て歪んで出力されるという劣化してしまう物があった。

+3dB入れると3dBクリップする。

ディスクのピークもズバッと切られてメリハリのない冴えない音になって出てくる。

余程ダイレクトに繋いでいた方が良い音がすると気付く迄に数年掛かったが、良い経験。勉強になった。

 

本機はゲインが18.7dBとなっているから、入力許容は1.2Vと思われる。

ボリュームがどの位置に付いているかにもよるが、CDPは0dB 775mV出力だから、+4dB迄は耐えられる設計と見受けられる。

定格よりか、実際はもっとマージンをとっている可能性もあるから、断定ではない。

 

洗いが済んだら各部品を試験して問題がないか見極める事にする。