A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

ORTOFON 続き

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定着したから組み立てた。
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カンチレバーの長さは程々オリジナルに近くなった。

気になる音は…

 

巻き足した側からも音は出た。

小出力P.Uであるから、ステップアップトランスは必要であるが、ヘッド部のゲインを最大にして使っても問題はない。

問題はビビりがある事である。

 

問題になっていた、重箱の隅をついた様な高域の持ち上がりは、改善され、気にならないから、ビビりをどうにかすれば良いという訳である。

上から巻き足して3層になった事で、クリアランス ギャップが狭くなって、ビビっている可能性を思う。

従って、一度コアから全てコイルを外し、新たに巻き直せば、この問題はなくなる可能性は十二分にある。

技量があれば、薄く2層で巻けたらならば、ゲインは少し大きくなるかも知れない。

基本的には、mcであろうが、mmであろうが、VLでも同じで、マグネットとコイルで構成されている。

これの組み合わせ組み立てが異なるだけで、小出力なのか、高出力なのかの違いでしかない。という事である。

小出力の場合は、電流伝送、すなわち低いインピーダンスで電流が主。

従って、コイルの巻き数は少ないという事である。

カンチレバーにコイルを巻いた様なデザインのmcは多くを巻けない故。

 

高出力の場合は、電圧伝送であるために、インピーダンスは高くなる。

インピーダンスが高いという事は、コイルの巻き数も多い事は言うまでも無い。

mm、すなわちコイルは固定で、カンチレバーにマグネットを持たせた様式であるから、カートリッジのサイズギリギリ迄コイルを巻こうと思えば巻ける訳である。

 

VLは、所謂バリレラというもので、これは固定コイルの間にカンチレバーをセットし、固定コイルの横にマグネットを置いて、ギャップを設けてカンチレバーを励磁する。

mmに近いが、マグネットはカンチレバー自体に付いていない。

これが一般的であった1920年代〜は、これをMagnetic Pick up. と言い、“Mag”の表記で、High入力とLow入力を設けたアンプが売られていた。

これは、巻き数を少なくも出来るし、逆に多量に巻く事も出来る。

大きさとアームとの兼ね合い、設計によって様々で、ギャップを大きくとれば、励磁が弱くなって音が小さくもなる。

またマグネットがお粗末で、磁力が弱い場合にも音も低音も下がってくる。

そんな様で、色々あったからHigh、Lowが設けてあったが、今のmmもmcも、殆どアンプに合わせて規格に合わせたと言って良い程である。

あまり外れたのを作ると、合わせる機器を選んで売れないからであろう。

そういう面白い物を作ってみる人も少なそうである。