カンチレバーが異常に長く、高域に派手なピークがあり、癖を付けた改造品を、どうにか元に戻らないか、研究してくれ。というオーダーがあったのを忘れていた。
挿絵に様に異常に長いカンチレバーに交換されている。
長い故に、高域の際どい部分が立ち上がって、低域は伝わりが悪い様な、相当耳の悪い人に合わせた様な、高域寄りの特性である。
聞いているとうるさいから、ナローなスピーカーを鳴らすのには丁度良いか、高域の聞こえの悪い方にはシックリ来そうである。
分解。
45-45であるべき位置が、43-47位に曲がっている様な気がする。
何処まで交換、改造しているのか分からないが、この長いカンチレバーを切り詰めたらオリジナルに近くなるかも知れない。
コイルを外した。
アロンアルファで接着しているらしい。
長さを変えるには。センターに生えているバネ鋼を抜かないとならないが、これが抜けない。
もしかすると、アルミ筒を切って、芯を出すシステムかと思って削ってみたら、その様に良い塩梅だった。
線のある部分迄削れば、オリジナルに近似になるから、そこ迄落とす。
流石に無垢ではなかった。
これが突き通りだったらならば、流石に考えてあるなとより感心したが…
ビビり防止に弾性接着剤とで詰めた。
45-45の位置調整。
不手際をした。コイルを切ったのである。
底部であるから、全部解体して巻き直しは2度手間であるから、上から巻き足し、補う事にした。
右の黒い線は私の髪の毛。
毛より細い。
巻き回数は幾つでもないが、0.04mm相手、2時間か掛かってようやく巻けた。
これを思うと、DENONのDL-104は安い。
売値が高いと言うならば、自分で巻いてみろ、組み立てて、その売値がどんなに安いか分かるだろう。そう言いたくなる程に有り難みを覚える。
女工さんがチマチマとこうやって巻いているのかと思うだけでも、100万円したって不思議でない位に目も体もかなり負担が大きい。
非常に疲れが来る。実際来ている。
これを綺麗に巻いている…流石としか言いようが無い。
肉眼ではこういったサイズ。
まだトゥイーターのボイスコイルは大きくてやり易さを感じる不思議。