A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

水銀整流管 自動暖機

オーダーのダイナコの電源ユニットを。

支給されたのは、866、83、81である。

他にも使える様に出来たら良いなというオーダーである。

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シャーシは片付けで出て来た物を使う事にした。

加工は板厚があるから、まずまず手間であった。

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そもそものこのケースの設計は、プラグインの様に筒になっていて、穴開けをして配線しようというのには向かない、非常に組み立て難い物である。

既に廃盤品。売れなかったのか割と早く廃盤になった様だ。

フトコロが短ければ良いが、これはかなりキツイ。
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コテが奥は入らないから、予め組み立てておいて、それを組み入れる様である。

ネジも手を突っ込んで締め付けて。見えないから時間も食うしとにかく手間である。

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ダイナコの電源と言っても、PAM-1用途であるから、2台動かしても数十mA程しか流れない。

866を動かすと言っても、数十mAでは殆ど無負荷運転に近く、放電も綺麗に飛ばないから、ブリーダーで程々に流して、安定も良くする。

ただ、80で動かした時に過負荷になる事を避ける為に、その辺りはバランスの良い具合にしてある。

866の場合は、数十秒の暖機が必要で、これの為にスイッチを2個にして、適当に温まった所で、Bを投入するのは手間である。

その手間を省く為に、サーマルリレー管を使って自動化を図る。

これはコンピュータ用途の物で、微調整が付いている。調整するには強力なマグネットが必要であるが、150秒であるから、此の儘で良い。

 

PAM-1の正規電源ユニットではチョークは入っていないが、チョークが入っている方が良いと言う事であるから、巻いたチョークを入れた。

 

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ブリーダーの電力型抵抗が手持ち無かったりして待った時間が多かったが、完成した。

試しに手持ちのHX-966で運転してみる。
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サーマルリレーの接触子はバイメタルで動く、アナログなもので、ゆっくりと接近する為、スイッチ間に高抵抗を入れて、4mA弱を流して、コンデンサの充電によるラッシュカレントを防止すると共に、接触子の保護にした。

その為、遮蔽板の無い966では、通電直後から若干の放電が始まるが、衝突は起きず安定している。

完全に放電が止まっている状態から、運転になるよりも、ある程度流れが決まっている状態から接続になった方が大電流の衝突も少なく済むかと考えた。
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接触子が接になるとパーっと明るくなる。
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枠なしはかなり放電が大胆に拡散する。

かなり妖艶であるが、紫外線もかなりであるから、殺菌灯と同じである。

直視は厳禁である。
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次世代の枠付の物でも下向きに放電は見受けられる。
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支給された866を試しに動かしてみる。

割と光った。
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81の時は7.5V側へスイッチを倒して、高圧のトップは不要であるから端子から引き抜いて使ってもらう。

万が一の感電の事も配慮して、シャーシはフロートにしたから、誤って端子へ触っても、アンプ側に触っていなければ感電はしない。

プレート対プレートを触られると危険ではあるが、そうなって来ると防ぎ様がない…

どちらにしても注意喚起はする。

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83
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程々光る。
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仕上げ。完成。